第9話
『もうすぐ一年に一回だけ我が校だけが行う音楽祭がある。そこでだ今日から放課後皆で集まって練習を行う』
先生が突然皆に要件を伝えた。
めんどくせー。
正直俺陰キャラだしあだ名は幽霊だからいてもいなくても同じような気がするけどな。
授業が終わり放課後になり皆ぞろぞろと音楽室に集まっていた。
『これで全員だ・・・あれ近藤と伊藤はどうした』
先生から相変わらず聞いたことのない名前が飛び出した。
『長野と栗山でちょっと見て来てもらってもいいかな?』
『何で私達なんですか。違う人でもいいでしょ』
『お前達はこの前クラスの奴等に大変な迷惑をかけた。だからお前ら二人で探してくるんだ』
その言葉で栗山は何も言い返す事が出来なくなり俺達は音楽室をでて探しに向かった。
「あんたいた?」
「いないな」
俺と栗山は校舎内をほぼ全て探したがどこにもいる様子はなかった。
「あんた男子なんだからあいつらと喋ったりした事ないの?」
「俺は」
「あーごめんごめん。あるわけないわね」
栗山また俺に喧嘩でも売ってるのか。
「今回はしょうがないから一度先生の所に戻りましょう」
どうやらそうするしかなさそうだな。
「先生すいませんどこにもいなかったです」
「そっか。なら今回は練習は無しで解散しよう。音楽室決められる時間も限られているし」
皆はぞろぞろと音楽室をでて行ったが何故か、俺と栗山だけは『職員室に来い』とお呼びあった。
「お前達二人がこれからの音楽祭に向けての指揮をとってくれ」
「だから何で私達なんですか?他にももっと学級委員長とか適任がいるでしょ」
「お前らな。この前起こした問題がお前達だけで解決できたと思うか。あの問題はPTAにまで問題になっていて未だに先生はどういった指導をしているですかと、苦情の電話を絶賛承ってる所なんだよ。だから今回はお前達にクラスの音楽祭を仕切ってもらう」
「分かりましたよ」
「長野もいいな?」
「はい」
俺達は職員室をでてクラスに向かっている所だ。
「あんたも何か言い返しなさいよ」
「あーうん」
「この前あたしを怒った時の威勢はどうしたの?」
「あれはあまりの怒りでついね」
「たく使えないわね。取り合えずこうなったら意地でも音楽祭を成功させましょ」
「栗山さんまた近藤君と伊藤君がいないです」
「またあの二人どこかに行ったのね。朝まではいたのに」
クラスで名前分からない人が栗山だけに話しかけたが、俺もいるから俺の名前も言うように。
「あんた探しに行くわよ」
俺は黙って栗山の後を付いていった。
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