第7話

「誰何ですか?」

「犯人は長野君です」

 皆の目線が俺に突き刺さる。

「そうなのか長野」

 額から汗が『ポタンポタン』と落ち、身体中から脂汗が湧いてでた。

「……」

「長野訊いているのか?」

「……」

「長野」

「……」

「答えなさい」

 限界だな。

「はい。俺がやりました」

「何で君が。クラスでも人畜無害なのにどうして?」

「先生やったのは俺何ですけどやらされたといいますか」

『お前人のせいにする気か』

 クラス中から避難殺到の嵐になった。

「俺じゃないんだよ」

『そう言えばこの前栗山さんにやっとのもお前なんじゃないのか?』

 クラスの誰かが俺に問いた。

『俺じゃ『ひっくひっく』』

『栗山さんが泣いてるじゃないかよ。お前だろやったの』

『あーそうたよ。文句あるか?』

 周り中から今にも殺してやるかの目に変わった。

『そこまでだ。後は職員室でゆっくり聞くから』

 その後俺は職員室に呼び出され先生にみっちりと根掘り葉掘り訊かれた。

 だけど俺の言葉など通る外もなく一方的に俺が悪いと形で今日は解放された。


 鬼の形相で俺はクラスに向かっている。

『栗山ーーーーーーーーー』

 俺の声がクラス中に聞こえる位に大きな声で叫んだ。

 自分が陰キャラだと忘れる位に。

 俺は栗山を捉えると一直線に向かった。

「何?」 

 栗山は普通に何事もなかったかの様に答えた。

 しかもその横には和田の姿があった。

「何でお前ら二人でいるんだ?」

「何でって。あたし達親友だもん」

 栗山と和田はお互い顔を見合わせて頷いた。

 あーそういう事か。

 俺はこの時点で全て悟った。

「はめたんだな?」

「今頃気付いたの」

「どうりでおかしいと思ったんだ。いじめの理由を訊いても何も答えないし」

「あんた早く学校辞めたら。あんたみたいな奴がいるとこのクラスの雰囲気が暗くなるのよ」

 まぁー確かに俺は陰キャラその通りかも知れない。

 だけどその前に俺は男。

 だから俺は俺は。

『お前に決闘を申し込む』

 皆に聞こえる様に叫び栗山に指を差した。

「決闘…ね。断ります」

「な……」

「普通に考えたらあたしがあなたと決闘したって意味無いしね」

 確かにその通りだ。

「意味はあるぜ。俺が負けたら潔くここから、この学校から消えてやる。ただしお前が負けたら俺に膝をついて詫びろ。それだけだ」

「あんたが早くこの学校から消えるなら。受けるわ」

「ちょっと京香本当に大丈夫なの?」

「余裕でしょ」

 栗山は和田に余裕の表情を見せた。

「決闘内容だが次のテストで勝負だ」

「いいわ」

「ただしテストの点が高い方が勝利ではなく、テストの点が低い方で勝負だ」

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