第5話
俺の普段受けている授業態度は寝ているか、何か違う事を妄想していて真面目な生徒とは言えないだろう。
それは先生の授業を受けても何を言ってるか分からないからだ。
だけど最近の俺は違った。
確かに相変わらず先生の話しを聞いても分からないものは分からないが、授業態度だけは格段と良くなったのだ。
陰キャで相変わらず目立たないか、だけど少しだけ周りから見られているような気がした。
それから月日が流れてテスト当日を迎えた。
やれる事は全てやったし後はただ全力でテストを受けるだけだ。
『お前達今日はいよいよテストだ。頑張るように』
皆は無言でテスト用紙を渡され、裏向きのまま机に置かれた。
『はじめ』
その言葉と同時に皆テスト用紙を表向きにした。
時間が流れ全ての教科のテストが終わった。
「どうだった?」
俺は不意に栗山に近付き話し掛けてしまった。
「まぁ楽勝かな。あんたは?」
「まぁぼちぼちかな」
後日テスト用紙を全て返され三教科分のテスト用紙を栗山と放課後教室で見せ合った。
「まずは国語からいきましょう」
一斉のせで見せ合ったが結果は90対0と俺は大敗をくらった。
次のテストは数学で結果は95対0と同じく大敗をくらった。
結果全ての科目で俺は大敗をくらって、栗山との勝負に負けた。
「あなた0って本当に勉強したの?」
「一応ね」
あーしたさ。
だけど効率の良い勉強かと言うとそうでもないし、授業態度を変えても結局先生の言葉が理解出来なかった。
「約束は覚えてるわね?」
「覚えてるよ」
栗山の表情が、何か恐ろしい事を考えている様な気がした。
「私と友達になりなさい」
「はい?」
「私と友達になりなさい」
「え…………」
あまりにも衝撃的な発言をしたもので、声が出なかった。
「俺でいいの?」
「くどい」
陰キャで幽霊のあだ名を持っていると教えられた人と、何故友達にならなければいけないのか俺には理解出来ない。
「取りあえずジュース買ってきて」
「はい?」
「だからジュース買ってきて」
「何で俺が?」
「友達でしょ」
ちげー。
友達の定義完全に間違ってるよ。
「はい」
俺は言われた通りジュースを買って来て栗山に渡した。
「これじゃない」
「はい?」
「私が欲しかったのはこれじゃない」
「はぁー」
「もう一度買って来て」
俺は言われた通りもう一度ジュースを買って栗山に渡した。
「さてと次は何しようかしら」
これで終わりじゃないのかよ。
「あんたにぴったりの仕事があるんだけどお願い出来る?」
「えっとちなみに何をすれば」
「いじめて欲しい女がいるの」
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