第3話 反撃を受ける
マコトは顔をゆっくりと近づけて飛鳥の唇を塞いだ。
唇が触れた瞬間から時が止まったかのように周りの音が聞こえなくなった。
しばらくして、飛鳥がマコトを跳ね飛ばした。
マコトは運悪く椅子に肩をぶつけ、痛さのあまり下を向いた。
「いたい・・・」
「どういうつもりだよ、お前・・・」
マコトがゆっくりと顔を上げると起き上がった飛鳥が彼に背中を向けていた。
「なんか、したくなったから。」
マコトはさらりと正直に言うと、飛鳥がかっと振り返った。
飛鳥の顔は、真っ赤に染まっていて、頬に目の端にたまっていた涙が流れ出していた。
マコトはその顔を見て鼓動が更に早くなるのを抑えきれなかった。
そのまま彼のほうへ行き両腕をつかみ、壁に追いつめてもう一度、今度は強く唇を押し付けた。
飛鳥は懸命にマコトの両手を払いのけて顔面に拳を一発いれた。
マコトもさすがにこれでは動けず、その間に飛鳥は走り去っていった。
彼は右頬を押さえながら自分のやったことを頭の中で反芻した。
「・・・やっちゃった・・・」
マコトは左胸に手を当てながらうずくまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます