第15話 夢が覚めれば
ミサは男たちに近づけず、武器の箒を手放していた。
残った男たちが集まり、再びミサの周りを囲みだした。
ミサはふと後ろで壁に寄りかかって傍観している男を見た。
「なんだ?助けてほしいのか。」
「結構です。」
ミサはあっさり即答した。
不自然な美少年たちがこちらを向いて笑っている。すごく気持ち悪い。ミサがそう思ったときだった。
美少年たちの顔にもやがかかり、テーブルクロスが見る見るうちに黄ばんできた。城もだんだんと白い壁が茶色くなり、蜘蛛の巣が張りめぐりだす。
彼らのもやが晴れると、中から絶対に近寄りたくないたんなる臭そうなおっさんが次々登場した。
「これはもしかして・・・」
「幻術だよ、ミサ。」
老人を首根っこを掴んでつるし上げたユキが奥から出てきた。
「こいつらね、この幻術使いのじいちゃん脅して、この村自体をわなにしてたんだって。普段は男相手だからここにいるやつらは美女になってたらしいよ。」
「おぞましいはなしですね。なら、ことは簡単です。」
ミサはそこから先の言葉をわざとらしく大きい声を出して言った。
「つまり、私たちはだまされていた。ここにいるのは美少年ではなく・・・不細工。」
ユキも大きな声を出した。
「そう、みんなおっさん。」
そういった後、地割れのような音が聞こえた。その音は言葉のように聞こえ始めた。
男たちは耳を澄ました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます