第4話 紅茶に含まれる活動パワー
第1章 陸にあっても竜宮城
「ねぇ!休もうよ!」
ユキの弱音にティカは首をガクガク縦にふった。
「では、お茶会セットを出しましょうか。」
汗はダラダラ、体バテバテの二人をよそにミサはニコニコとマットをしいてお茶とスコーンをかばんから取り出す。
ティカは紅茶を一口、ユキはスコーンを口に入れるだけ入れた。
「ふぃふぁふぃふぃふふぉん!」
「ミサに質問?何でしょう。」
ティカはこの言葉が何でわかったのか非常に気になった。
ユキは言葉らしきものを発した瞬間にのどに詰まらせてしばらく悶絶していた。ミサがお茶を渡し、スコーンが流し込まれるのを待つ。
「ミサってずっと家にいたんだよね。」
「はい、外出は許されませんでしたから。」
「何でそんなに体力があるの?」
「それは私も思いましたわ。私たちのように外で暮らした経験がございませんのに。」
ミサは微笑んでこう答えた。
「私の家はとても広かったんです。」
「歩き回っていたの?」
「いえ、拭きまわっていたんです。」
「他にお手伝いさんは?」
「いませんでした。ほかには炊事、洗濯なども私の仕事でしたね。週に4度は50人程度がくるパーティーがあって…」
そういってミサは空を見上げた。そりゃ体力もつくだろう。
「ワタクシも質問よろしい?」
「ええ。」
「ミサは何のために旅に出たんですか?ずっとお城にいれば快適な生活がおくれましたのに。」
ミサはしばらく考えてから指を一本高く上げ、ゆっくりと口元に持っていった。
「それは…秘密です。」
ティカはあきらめてため息をついた。その間もユキはスコーンをほおばっていた。
が、その手が急に止まった。
「どうしたんですの?」
「…あれ…」
ユキが指を刺した方向には大きな甲羅のようなものを背負った小さな老人がチンピラに絡まれていた。
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