第11話 サン・ストーン

「結構2週間のイベントが長いわね?」

「2週間だから1話1日で考えても14話42000字くらいで終わる計算ね。」

「でも今のペースじゃ終わらない!? アハッ!」

 製作者サイドが楽なので2週間前後半に分けてイベントを仕掛ける所が多い。

「長いと飽きて、アンインストールして、他のゲームに浮気しちゃうし。」

「短いと忙しいし。でもキャラクター数が増えるのはサービスを開始したばかりのゲームにとってはとても良いことよ。ガチャを回してもらって儲けないとゲームも続けられないでサービス終了になっちゃうもんね。」

「私たちは本当に小学生かい? アハッ!」

 その時。

 ピキーン!

 ポーちゃんがサイキック能力に覚醒して何かを感じる。

「見えた! 4番目の田中みなみちゃんは次のイベントの時に登場してもらおう。所持しているゴットカードは超超レアのカウ・ナイトだ。」

「ポーちゃんに創造の神が降臨されている!?」

「私と同じオリジナルストーリーの干支戦記のキャラクターね。」

 リスペクトイベントにオリジナルストーリーのキャラクターを混ぜるのは憎い演出である。

「干支戦記って、いったいどんなお話になるのかしら?」

「決してゲド戦記ではありません。ペコリン。」

「聖闘士星矢のゴールド聖闘士になるのがオチね。」

「確かに書けば書くほど怖くなる。創造とはそういうものである。しかし書かないと何も始まらない。」

「諦めたら、そこで終わりですよ!」

「アハッ!」

 こうして少しずつ形ができてくる。

「ゴットカードのユニットはナイトという職業が基本ね。」

「敵役のモンスターもあるけどね。」

「そこもナイトにしちゃう? スライム・ナイト。魔王ドラゴン・キング・ナイトとか。」

「聖闘士をナイトで置き換えちゃった。アハッ!」

「それいいわね。モンスターを倒したらナイトになれる方式。」

「弱いスライムのアーマーから、強い敵を倒したら稀に超超レアの強いアーマーが手に入るとか。」


ピキーン!


 ポーちゃんがサイキック能力に覚醒する。

「それだ! ゲーム開始時にはノーマルのすっぴん状態で、敵を倒して強いアーマーを手に入れていくの!」

「それいい! 面白そう!」

「歩兵や騎士、弓兵士、魔法使い、重装兵とかは初期のジョブということで、武器屋で装備を買ってもらってなれるとしましょう。」

「おお! 順調に物語が繋がっていく!」

「強いアーマーが欲しかったら課金してね。アハッ!」

 課金の告知に余念がない小学生3人組。

「いいわね。ミキちゃん。引き笑いだけでミキちゃんって分かるもんね。私もがんばるポー!」

「クソッ!? ポーちゃんも語尾にポーをつけるだけでカワイイ!? 私は何をどうすれば存在感を示せるんだ!? このままではグレてヤンキーになりそうだ!?」

 愛ちゃん思春期の悩みで頭の髪の毛が抜けそうだ。5円ハゲができるぞ。


ピキーン!


 その時、愛ちゃんにも歌劇の神が舞い降りる。

「愛、それは尊く。愛、それは強く。愛、それは気高く! 愛! 愛! あ、あ、あ、愛! 愛、それは全て! 愛があれば幸せー!」

 宝塚歌劇団の様に舞台でスポットライトを浴びるトップスターの愛ちゃん。

「遂に一曲歌い切りやがった・・・・・・。」

「素晴らしい存在感だわ。尺を取るけど。アハッ!」

「本日はご来場ありがとうございます。神組トップスターの愛・オスカルです。」

 完全に世界に入っている愛ちゃん。

「これが私らしくね! 愛は生きる喜びよ!」

「アイアイ! アイアイ! お猿さんだよ! アイアイ!」

「誰がお猿さんよ!?」

「愛ちゃんにはお猿さんがお似合いだよ。」

「何よ! 私は舞台女優よ!」


ピキーン! 


 その時、ポーちゃんがサイキック能力に目覚める。

「愛ちゃんは将来は申のアーマーを手に入れる。モンキー・ナイトになるのね!」

「なるか! 私はトレジャー塚歌劇団に入団するんだ!」

「アハッ!」

 愛ちゃんでたくさん遊べました。


ピーポー! ピーポー!


 気がつけば3000字を超えているので警報がなる。

「ヤバイ! タイムリミットだ!」

「物語を先に進めなくっちゃ!」

「はい! 戦闘のお時間です!」

 以上。


「助けてください! キメラが暴れているんです!」

 ラダトムの城がモンスターに襲われていた。

「私たちに任せてください!」

「魔物さんから次の道しるべを聞かないと先に進めないのよね。」

「アハッ!」

 ポーちゃんたちはモンスターと戦う。

「キメキメ!」

 キメラが現れた。


キメラ。

レベル18。

全ステータス36。

お金180円。


「俺の名前はキメラ。魔王ドラゴン・キング様の部下だ。サライの町で鍵を開けるとシンジ・ムラタニの墓に行けるぞ。そこでシルバーハープを手に入れるんだ。シルバー・ハープをレイン・シュラインで奏でるとレイン・ロッドが手に入るぞ。レイン・ロッドはレインボー・ブリッジを作るために必要なアイテムだ。分かったか! おまえたちを倒してやる!」

「次の行き先を教えてくれてありがとう。ペコリン。」

「なんて親切なモンスターさんなの!」

「アハッ!」

 頭を下げる礼儀正しいポーちゃんたち。


「いくよ! 愛ちゃん! ミキちゃん!」

「おお!」

 ポーちゃんたちも気合を入れる。

「いでよ! 歩兵さん!」

「おお!」

「いでよ! 愛騎士!」

「おお!」

「いでよ! マウス・ナイト!」

「おお!」

 ポーちゃんたちはゴットカードからユニットを召喚し戦う。

「キメキメ!」

 モンスターが攻撃してくる。

「キャアアアアアアー!」

 必死でかわすポーちゃんたち。

「今度はこっちの番よ! いくよ! 歩兵さん!」

「おお!」

「必殺! 投火短剣! 36連の舞!」

 サイキッカーに覚醒したポーちゃんが歩兵さんに36本のナイフを操らせ攻撃する。

「愛騎士!」

「おお!」

「秘技! ハート・ブレイク!」

 愛ちゃんの指示で愛騎士が剣で攻撃する。

「マウス・ナイト!」

「おお!」

「必殺! ネズミ斬り!」

 ミキちゃんの指示でマウス・ナイトが攻撃する。

「ギャアアアアアアー!」

 ポーちゃんたちは魔物を倒した。

「正義は勝つ!」

 歩兵さんたちは勝った。

「やったー! 勝った! わ~い!」

 大喜びのポーちゃん。

「みんな、ありがとう。アハッ!」

「人ではダメでもお友達で助け合えば何でもできるよ!」

「その通り! アハッ!」

 ポーちゃんたちは友情を強める。


パーティー107戦107勝。

パーティーマネー14550円


ポーちゃん。

内政0

外交0

武力3

魅力100


歩兵さん。

HP38

MP30

攻撃力30

防御力30

素早さ30

魔法力30

運30


職業

歩兵。ステータス補正無し。

自称、武器投士。特殊。ニュータイプ用のサイキックジョブ。


装備

武器、銅の剣。攻撃力1

   ナイフ36本。

体、銅の鎧。防御力1

腕、銅の盾。防御力1

頭、銅の兜。防御力1


アイテム

なし。


スキル。

投石。

投短剣。

投剣。

摩擦で火をつける。

火投石

火投短剣。

火投剣。


短剣36連の舞。


火の属性0

水の属性0

雷の属性0

風の属性0

土の属性0

聖の属性0

闇の属性0



愛ちゃん。

内政1

外交1

武力1

魅力1


騎士

HP48

MP40

攻撃力40

防御力40

素早さ40

魔法力40

運40


職業

騎士。ステータス補正全ステータス1。


装備

武器、銅の剣。攻撃力1

体、銅の鎧。防御力1

腕、銅の盾。防御力1

頭、銅の兜。防御力1


アイテム

なし。


スキル。

騎士斬り。

ハート・ブレイク


火の属性0

水の属性0

雷の属性0

風の属性0

土の属性0

聖の属性0

闇の属性0



ミキちゃん。

内政100

外交100

武力100

魅力100


マウス・ナイト。

HP100

MP100

攻撃力100

防御力100

素早さ100

魔法力100

運100


職業

ねずみ騎士、干支12神の一人。出演作は干支戦記。


装備

武器、ねずみの剣。攻撃力100

体、ねずみの鎧。防御力100

腕、ねずみの盾。防御力100

頭、ねずみの兜。防御力100


アイテム

なし。


スキル。

ねずみ斬り。

窮鼠猫を噛む。


火の属性0

水の属性0

雷の属性0

風の属性0

土の属性0

聖の属性100

闇の属性0


「ありがとうございます。おかげで助かりました。」

「いえいえ。困った時はお互い様です。」

 ラダトムの城の人々はポーちゃんたちに感謝する。

「次はサライの町で昴を熱唱!」

「おお!」

 ポーちゃんたちの冒険はつづく。


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