炒めて絡めて、完成だ!(パート2)
『一番楽しいタイミング? なんなんだが、それ?』
『それは実際にやってのお楽しみ、ってことにしておきましょう! ほら、段々とにんにくのいい匂いがしてきますよ~……!』
全ての具材が投入されたフライパンを更に弱火でじっくり熱していけば、オリーブオイルの泡立ちはみるみるうちに強まっていった。
その泡立ちに比例してキッチンに漂い始めたにんにくのいい香りにリアが鼻をひくつかせて食欲を増大させる中、炒められているにんにくの色付きとパスタが茹で上がるまでの時間を確認した枢は、おたまを彼女に手渡すと共に一番楽しい作業に関する指示を出す。
『さあ! これでパスタの茹で汁をたっぷりフライパンに注いじゃってください! さっき入れたオリーブオイルと同じか、それ以上です!』
『おおっ!? た~っぷり、た~っぷり……!!』
『入れましたね? そうしたら、フライパンをよく振ってソースを乳化させちゃってください! 白濁した黄色っぽくなって、ソースにとろみがついたらOKです!』
『うおおおおっ!
気合十分、やる気満々。そんな様子で激しくフライパンを振ってオリーブオイルと茹で汁を融合させていったリアは、枢の指示通りのパスタソースを完成させることができたようだ。
とろりとしたとろみと塩とにんにくの混じったいい香り、そして味を十二分に引き出したソースを作り上げたリアを褒めつつ、枢は彼女と共に最後の仕事に取り掛かる。
『あとはリア様が作ってくれたソースの中に茹でたパスタを入れて、よく混ぜるだけ! 今回は量が多いんで俺がやりますから、リア様はお皿を用意してください!』
『了解です! お皿、お皿……!』
どっさりと盛られたパスタを上手く躍らせ、リアお手製のソースと絡めて料理を仕上げていく枢。
ふわり、ふわりとパスタの間から湯気が舞う度によく絡んだソースのいい香りが柔らかい温もりと共に広がり、リアだけでなくスタッフたちの胃袋を刺激する。
やがて、十分にソースが絡んだと判断した枢は、リアが用意してくれた皿に出来上がったパスタを盛りつけていった。
中央に高く、そしてトングを上手く捻って渦を作りながら盛りつけた後は、具材となるにんにくと鷹の爪をその上に乗せていく。
最後に飾り用のパセリを散らしたら……スパゲティ・ペペロンチーノの完成だ。
『はい! これにてアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノの完成です!! その気になれば十五分とかからず作れちゃう簡単な料理なのに、これ一品で普通に一食になる! 凄い!』
『ふわぁぁ……!
食いしん坊のリアは、完成した料理を前に空腹が限界にまで達しているようだ。
そんな彼女の様子に苦笑しながらも気持ちに理解を示した枢は、ごほんと咳払いをしてから高らかに宣言する。
『あはは、リア様ももう限界みたいですし、これ以上待たせるのも可哀想ですしね。じゃあ、早速……食事タイムといきましょう!!』
――――――――――
※パスタを茹でる前にソースを作った場合、時間が空いていると乳化が解除されてお湯とオリーブオイルに分離した状態に戻ってしまっていることがあります!
そういう時はパスタを投入する前にもう一度よく混ぜて、再び乳化させましょう!
パスタの茹で時間はソースと絡めることも考えて一分くらい短くするといいと思います!(基本の茹で時間はパスタの袋とかに書いてありますよ!)
また、ソースとパスタを絡める際には火を止めてください!
火を着けたままだとパスタに余計な火が入って、茹で時間を短くした意味がなくなってしまいます!
この辺りのことさえ気を付ければ、みんなも絶対に美味しいペペロンチーノが作れるはずだぜ!byくるるん
――――――――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます