第3話 裸の王様だろ?

入院3日目

丸二のアホの回診がはじまった。

今日は研修医みたいのを ぞろぞろ引き連れている

わたしは「異常なし 次どうぞ」シッシと1秒で追い払う

何故か喜ぶ丸二である 意味がわからない、 最短記録更新 1秒未満 そういった心境であろうか?

アホの考えることはわからん 放置しよう。


丸二が立ち去った後 隣人のおじさん(久保さん)と 二人で談笑した。

おじさん「若いの引き連れてずいぶん楽しそうだったな」

わたし『裸の王様だろ?』

ゲラゲラと笑う ふたりの おっさんの笑い声が病室にこだまする


アホだ 裸の王様だと揶揄されている丸二であるが

柏藪病院はバーコードで投薬や飲み薬など管理されている

そして ナースは どんな薬かまるで興味をもたず

郵便配達員のように飲み薬を渡しバーコードをスキャンしてかえってゆくのである

つまり、アホの丸二が 投薬量を 間違えると ダイレクトに間違えた量が体に入ってくるので

ぶっちゃけミスられると死ねるのである 恐ろしいシステムだ、そしてあとからわかったことだが

このとき 胃薬感覚でわたしにナースがわたしてきた薬

実は 劇薬 取り扱い注意 といった類の薬品で名を『クレピドグレル』という。

黙ってそんなやばい薬飲ませるなよな、一言くらいなんかあってもいいんじゃないですかね?

ちなみに、わたしの場合は 発熱 頭痛 めまい などといった 副作用がでた

なお 飲ませている 病棟の人間は なにひとつ 副作用を把握していなかった

ふりかえると、とても怖い経験だったし わたしの場合は退院時に

柏藪に勤めている薬剤師が雑に説明してきたときにはじめて飲まされていたことを知った。

「もう一週間前から 飲んでますよ あ、 副作用とか 注意事項 冊子にかいてあるんで読んどいてください」

実にさっぱりとした説明である 退院後 わたしは普段 お世話になっている調剤薬局に 薬の相談という形で

改めて『クレピドグレル』について キチント説明を受けたわけだが やはり 劇薬だという意識をもって服用してほしいと言われた。



*****

すこし脱線するが退院後 取材した薬剤師から 『クレピドグレル』といった薬について

メッセージをあずかっているのでこの場で伝えようと思う。

『クレピドグレル』はたしかに劇薬であったり取り扱い注意といった側面をもっていますが

必要だから処方されています、もちろん 黙って飲ませるなんてありえない行為だと思いますが、

たくさん副作用をかかえているなかで特に危険な副作用は 把握してもらいたい。

『体内出血、鼻血、 たんに血がまじる、血尿』 などは とても危険な状態です。

すぐに医師に相談してください

薬剤師さん、たしかに伝えましたよ?でもこんなド素人の書いたエッセイに読者がいるか はなはだ疑問である。

*****


せっかくなので この柏藪病院 独自のシステムを紹介して3話は終わろうと思う。

バーコード管理されていない 痛み止めは 『ナースが管理処方する』新しいシステム

そう この国では 柏藪病院だけ で採用されているシステムなんです ナースの処方は 日本では認められてませんからね。

その名も タイムリープ処方システム ナースに痛み止めを頼むと 時を遡って ドクターの指示をもらってきてくれるのです

つまり 事前に 痛み止めを処方する指示をもらった 形になります。

別名「口裏合わせの隠蔽工作」とも言う とことん腐ってるね。


ちなみにナースが 処方してるから でたらめな量の 痛み止めをもらうことができるよ!

わたしの場合は カロナール という薬が 200 を2錠 つまり 400 飲めっていわれたけど

思わず その場で「多くね?いつも200やで」とツッコミを入れてしまった。

そしたら カロナールをわたしに渡した男性ナースは逆ギレ気味にわたしに対してこういった。

「自分が キャパシティ量や 時間を管理しているので大丈夫です 2錠飲んでください」

いうまでもなく盛大な自爆であるである 自分が管理しているから 大丈夫とか そんなこといわずに

「ドクターの指示 2錠です」と言えばきちんとごまかせたのにね ぬけている、残念賞。

だから医者になりそこねてナースやってんだろうね

体重計算してないのに2錠飲むとか わたしには自殺願望がないので 知らん顔して1錠だけ飲んだ。べーーーー

ちなみに 普段 クリニックからいただいてるカロナール 200は 1回 1錠 わたしのキャパシティは600/1日である。

仮にも とんぷくだからね 2倍 一気飲みとか 正気の沙汰とは 思えないね。

カロナールごときだから 死なないって思ってるんだろうけど、患者だってバカじゃないんだから

あまりなめていると そのうち痛い目、見るぞっとだけ警告をしておく。

つづく


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