おまけ 儲け話はこちらです
「子供服の専門店?」
政務を終えて帰って来たリアフェンガーが、私の座るソファに近付きながら、そう言って首を傾げている。
「ええ、この世界の衣料店と言えば大人向けも子供向けも全部同じお店に並んでるでしょう?そこで、子供用品だけに特化した店舗をマーシ・ボワーレのブランドから展開していこう~って話になってるのよ」
「ほう…それは画期的だな」
「靴からドレス、礼服…肌着、子供の持つ鞄まで全部、マーシ・ボワーレの意匠よ、絶対売れるわ!フフフ…まずはモデル選びからだけど、もう候補はいるのよ」
私の説明を聞いて、リアフェンガーが更に首を傾げている。
「モデル?ってなに?」
私はバーンと立ち上がった。そして私の座っているソファの右横に設置してある、ベビーベッドの中にいる私とリアフェンガーの息子、辺境伯ご子息でおまけに継承権持ちの、メアルディーガ殿下…もうすぐ一歳をビシィィと指し示した。
「メアルにキッズモデルをお願いするわ!」
「ウーーッキャッキャッ!!」
何だか分からないが私が騒いでいるのが楽しいのか、メアルディーガの笑い声が部屋に響いてる。
私が下半身がもげるような陣痛の後、なんとか産み落とした赤ちゃんは男の子だった。国王陛下以下、辺境伯領の方々は大喜びだった。
我が息子、メアルの外見は私とリアフェンガーの髪色を足して二で割ったようなシルバーの髪色で、瞳の色は濃い青色…顔立ちはこれまた私とリアフェンガーを混ぜ合わせたような、良い所取りしたようなカワイイ顔立ちなのだ。
「良かったぁぁぁぁ…私に似てきっつい顔立ちになったらどうしようと思ってたけど、リアフェンガーの甘い顔立ちが上手い具合に混ぜ合わさって良い感じよ!」
赤ちゃんの顔立ちがはっきりするまでは、悪役令嬢顔の私に似てしまったらどうしよう…と、気を揉んでいたが最近やっと足して二で割った顔だという事が確定されたので本当に一安心だ。
うちのヴュークワイア兄みたいな、エッジの利いた冷徹顔になったらシャレにならんもんね…
リアフェンガーはベビーベッドに近付くと、ご機嫌なメアルディーガを抱き上げると、目じりを下げている。笑い合う親子の美しい姿だ。
んん?待てよ……
メアルディーガをあやすリアフェンガー……これ、絵になるな?
私は頭をフル回転させて計算をしていた。いいんじゃない?いいんじゃない?
「よぉぉしぃ!栄えあるベビー用品店一号店、ベビープリンス略して、ベビプリの看板モデルはリアフェンガーとメアルディーガに決定よっ!」
「え?え…なあ、モデルって何を…」
私は不敬上等でリアフェンガーをビシィィと指差した。
「そんなの決まってるじゃない!ベビプリの店頭に、モデルのリアフェンガー親子を載せた大型ポスター……じゃないわ、え~と大型絵画を設置して皆にお洋服とモデルを存分に見てもらうのよ!」
リアフェンガーは顔を引きつらせた。
「ヴァル、因みに…その店はどこに店を構えるのかな?」
「王都の一等地に決まってるじゃない!」
「キャア!キャッ…」
私が拳を突き上げると、メアルディーガも声を上げながら拳を挙げてくれている。ノリが良いぞ、流石我が子…
「さあ、そうと決まれば忙しいわよ~マーシ・ボワーレで打ち合わせしなくちゃ!あ、リアフェンガーは王都の打ち合わせについて来るの?」
「いっ…行くよっ!!」
リアフェンガーが何故か切れ気味に叫んでいる。そのリアフェンガーの様子さえもおかしく感じたのか、メアルディーガが手を叩いて大はしゃぎだ。
さあ…金儲けの匂いがプンプンするわよぉ~稼ぐわよ!目指せっ売上一億円!
あら、円じゃなかったわね…では改めて
目指せ!年商二億ビルム!!(注:約一億円です)
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