#25 終戦への道②
パズドラ十周年おめでとうございます!
私もパズドラ歴5年ぐらいになりますが、これこらも頑張って下さい!
おまけ
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宇宙間の戦争というものは何が起こるかわからない。
数十年前までは絶対に不可能だと言われていた空間転移や収納魔法が、今ではジルトレアの兵器として普通に使われている。
そして先日、人類の中に時間という概念すらも自由自在に操る少女が誕生した。もちろん、彼女の能力の事はS級魔法師やジルトレア上層部しか知らないが、それが現実のものであると既に証明されている。そしてこの力は、生命のシステムすらもバカにするかのように、蘇生を成功させた。
では、これを宇宙で考えたとするとどうなるだろうか。
我々人類には想像もできない超現実が頻繁に繰り返されている宇宙。いくつもの星が、生み出され、消え去っていくという現実をイメージできるだろうか。
観測もできない宇宙の彼方で、何処かの誰かが星を破壊して遊んでいるかもしれない。別の場所では、星を創造して周っている創造主がいるかもしれない。
そんな未知の世界に、我々人類は新たな一歩を踏み出すべきなのだろうか。
ネオルカ、イセンドラス、UCなど考えるべき事は多い。人類初となる宇宙人との外交は、どこまでも不安で、先が見えなかった。
「やはり、私は反対です。例えイセンドラス星を破壊する結果になったとしても断固として戦うべきです。」
セランの意見に、ゼラストも追随した。普段は、優しくて温厚なゼラストの言葉は重い。
「確かに結人君の意見も痛いほどわかる。彼らとて生き物で、共に歩む事ができる可能性がある事は認める。だが私は、彼らの隣を歩けないと思う。」
ゼラストは、安全性を武器に主張を続けた。
結人が戦った『サイモン』と呼ばれる星破壊兵器。
アレの力を見れば嫌でもわかる。
宇宙人に、いつ地球が破壊されるかわからないという現実に。
それに対して、朝日奈は結人の意見に賛成を示した。
「私はそれでもネオルカ、そしてイセンドラスと手を取り合うべきだと思う。」
「朝日奈・・・・・・」
現実に目を向けるセランとは違い、朝日奈は理想に目を向けた。
「言語も種族も全然違う、それがなんだ!我々人類だって2度も世界大戦を経験したがこうして酒を飲み交わしているではないか。きっと、彼らとも良い関係が築けると思う。まずはこちらが、広くて温かい心で接するべきだ。」
所詮は理想。期待すればするほど、裏切られた時の反動は大きい。
だが、そこにこそ本当の幸せがある。
「大丈夫だ、彼ら全員が野蛮というわけじゃない。きっと、私たちと同じ志を持った仲間がいるはずだ。それに、お前も気づいているはずだ。これから先の未来、必ず外交をしなければならない時が来る事を。」
「「「・・・」」」
「ならば、先送りにするのではなく、我々の手で道を指し示すべきだ。」
朝日奈の言葉に、セランは重い腰を下ろした。
「わかった・・・・・・交渉に応じよう。」
*
この日はこれで解散となった。
部屋に残ったセランと朝日奈、そして魔法師達と入れ代わりで入ってきたジルトレアの上層部は、その後具体的な数値について検討した。
暇になった結人は、咲夜と共にある場所を訪れていた。
「こんにちは、ってこれじゃ、わからないか・・・・・・」【こんにちは、お邪魔します。】
【こんにちは、黒白様】
イセンドラス軍の中の唯一の生き残り艦に乗艦した2人は、艦内を警備するイセンドラス人に変な目で見られながら目的の場所へと向かった。
自動ドアが開き、現在ジルトレア監視の下で軟禁させられているイセンドラスの皇女シーナの部屋へと足を踏み入れた。
イセンドラスの将軍で今はシーナの護衛をしているチェルシー、戦争反対派の筆頭であったレベター大佐とともに、カーペットの上に座っていた。
結人と咲夜もその向かいに座る。
【先ほどはどうもありがとうございました、貴方様方のおかげで被害を最小限にとどめる事ができしました。】
2人が先に着いたのを確認すると、シーナはこの上ないほど深く頭を下げた。
イセンドラスの軍服だと思われる服をまとい、腰には剣をさしている。
【気にしないで下さい。僕達人類の目的も、脅威から身を守る事だったので。】
【そう言っていただけると嬉しいです。それで、私たちはこれからどうなるのでしょうか。】
【そうですね、戦争に対する賠償と魔獣を地球に送り込んだ事に対する責任を取らされると思います。どうなるかは私にも分かりませんが、決して軽い罪ではないと思います。】
【そうですか・・・・・・】
刑罰というものは、被告人が犯罪を犯すか犯さないかを選択できたのにも関わらず、犯罪を犯してしまった場合に発生する。
例えばどんなにたくさん人を殺したとしても、精神的に問題があったりすると、この選択を出来ない状態に当てはまるので無罪になる場合がある。
では、彼女らに戦争をしない、魔獣を地球に送らないという選択肢はとれただろうか。結人はこれを否と考える。そもそもイセンドラス人に人権はあるのかという問題に発展すると何も言えないが、今回の地球侵略も魔獣の押し付けも皇帝か宰相が責任をとるべきではないかと考えてしまう。
責任をとる立場である皇帝と宰相はいない。幹部的な立ち位置である将軍もチェルシー以外全員が今回の戦争で戦死している。
ならば、どうこの50年続いた戦争に落とし前を付けるのだろうか。
【本国との連絡はまだ取れないのですか?】
【はい・・・・・・何度も繰り返していますが、これっぽっちも・・・・・・】
シーナは、少し顔を下に向けながら答えた。
【きっと、いい結果になると思います。両方が幸せになる道を選んでくれると思います。】
【私にもどうなるかは分かりませんが、人類とイセンドラスが手を取り合えるような世界を目指したいと思います。】
結人と咲夜は、今言える最大限の励ましの言葉を送った。
その言葉に、皇女シーナは元気付けられると、2人の手を握った。
【よろしくお願いします。】
そして次の日、講和会議が始まった。
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