#14 戦争④

送れました、すみません

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騎乗魔獣部隊


文字通り、馬や龍のようなUCに乗りながら戦場を駆け回る部隊。

まるで、一昔前前の部隊のように見えるが、その実力は本物。

海の少ないイセンドラスでは必然的に陸での戦闘がメインになる。そのためか、ミサイルのような類が発達せず、このような兵科が異様なほどに発達したのだ。


単体で戦艦一隻と互角に渡り合える実力をもつこの部隊が総勢15万体にも及んだ。これは、今回の作戦に参加した魔法師の人数7万よりも多い。


北・・・ツクヨミ、ジルトレア第14基地

南・・・日本、ネオルカ義勇軍

東・・・ゼロ艦隊

西・・・レッドナイツ、ジルトレア主力部隊



✳︎



史上初の4正面作戦は、ツクヨミの反転から始まった。そして、ゼラスト率いるゼロ艦隊の空中戦闘艦は氷河の上を乗り越える。

ちなみに水上艦は少し遠回りする予定だ。


「ゼラスト様、正面およそ100km地点に敵艦隊を確認、それとUC使いと思われる大多数の敵部隊を確認!真っ直ぐこちらに向かってきます!」


「数はどれぐらいですか?」


「およそ1万かと・・・・・・」


「1万か、となると敵は部隊を分けたか。よし、うって出るぞ。全魔法師、出撃だ!」


「「「了解」」」


ゼロ艦隊所属の魔法師およそ一千人がそれぞれの艦から飛び出る。

隊列を組み、ゼラストを先頭に、レネ、スカイラと続く。


「ゼラストさん、勝てますかね。」


「まったく、戦う前から怖気付いていてどうするのですか、スカイラさん」


「そうだな、レネの言う通りだ。一般市民ならともかく、俺たちまで弱気になるな。」


「す、すみません、ゼラストさん。」


ゼラストとレネからの注意にスカイラは素直に頷いた。

馬のようなUCに乗った敵部隊に接敵した。射程圏内に入る前にそれぞれ魔力障壁を張る。


「数は負けているが、この程度でやられる諸君ではないと思っている。行くぞ!」


「「「おう!」」」


それぞれは、準備を整える。


第一段階ファースト・エヴォリューション契約精霊召喚<光の上位精霊・アスカ>、第二段階<魂の結合>」


ゼラストは、光の精霊を召喚し、精霊使いの奥義である<魂の結合>を使った。

圧倒的な魔力のオーラをまとい、光の大剣を取り出す。

そして、一閃。

大剣で世界を切り裂いた。



レネも続いて、自身の精霊を呼び出す。


第一段階ファースト・ステージ契約精霊召喚<水の上位精霊・ウンディーネ>、第二段階<魂の結合>・・・」


レネは自分の水の上位精霊を召喚し、例の如く<魂の結合>をする。

地面にある大量の氷を自分の周りへと出現させ、一斉に放った。

先ほどのゼラストの一撃で怯んだ敵部隊に更なる追い討ちをかける。


「そう簡単にはいかないか・・・全力の80%も出したのに500ほどしか減っていないな。レネと合わせて1000ほどか。」


「そうですね、ゼラストさん。もう少しぐらい飛ばせると思いましたのに。」


ほっと一息入れながら敵の様子を見つめる2人、結人が現れるまでは圧倒的な地位を持っていたゼラストと、もはやただの女子高生ではなく米国の英雄となったレネは凄まじい活躍を見せていた。

人々は、英雄に憧れる。


「す、すげぇ。」

「うぉぉおお!」

「続くぞ!」


後ろに控えていた部下達もそれぞれ魔法銃を構える。アメリカ軍の新型魔法銃は、射程距離が恐ろしく長く、貫通力が強く、消費魔力量が少ないという優れものだ。

ここから数十km離れた先の敵UCを狙い撃つ。

ゼロ艦隊メンバーは全員誘導魔法を使えるので、スコープは付いていない。


敵は超級UC並みの魔獣に乗っているが、ここにいるメンバー達は全員超級UCを倒した事がある。その上この最新の魔法銃を使えば倒せはしないが、敵UCの身体を貫く事ができる。運良く敵UCの核に直撃すれば討伐も可能だ。


1人、また1人と敵は倒れていった。焦った敵部隊はこのまま続けても勝てないと判断したのか、突撃を行って来た。


「こちらの銃の性能を見た上での突撃か、いいだろう。騎乗部隊が銃に勝てないというのは昔から決まっている。放て!」


ゼラストの合図で、一斉に発射される。

敵騎乗部隊は、UCの前面に大きな魔力障壁を展開して防御を図るが、一撃目で勢いが止まり、二撃目で魔力障壁が貫かれた。


例えその場所を突破できても下方からはレネによる氷魔法が飛んできて、UCを貫かれる。

上方からスカイラの固有魔法による雷撃、正面からはゼラストによる光の大剣による斬撃で一切近寄る事ができない。


そしてさらに味方の戦艦からの砲撃によって壊滅状態にまで追い込まれていた。


「覚悟はしていたが、これほど弱いとはな。敵は魔法師同士の戦い方を知らないようだ。」


「そうですね段々と可愛そうに思えて来ました。」


「そうだなレネ、だが敵は敵だ。無謀な侵略者共を叩き潰す。」


「わかっていますよ、では1発大きいのを撃ちます。第三段階サード・ステージ・・・」


レネは、自身のレイピアを正面に構える。そして魔力を蓄える。

下にある氷河の全てに干渉して持ち上げた。


「<水爆拡散アトミックバースト>」


レネの魔力が干渉した重水素や三重水素による熱核反応による爆撃。

敵軍の中心あたりを爆発の起点にして、そこら一帯を吹き飛ばした。


とてもただの女子高生には見えない。まぁ実際女子高生ではないが・・・


「お見事だな、レネ。」


「ありがとうございます、ゼラストさん。」


「捕虜を回収せよ!対抗するならば容赦なく殺せ!」


「はっ!!!」



この一撃がこの中域における決定打となった。

敵兵の多くは捕虜として投降した。




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今回の作戦の地図です。


https://kakuyomu.jp/users/ASasterisk/news/16816927860126443583

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