#7 一息の休憩と確かな約束②
前話のタイトルが変わってます。
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「海だー!!!」
1人だけテンション爆上がり中の茜が、海へと突っ込んでいく。知り合いしかいないからだろうか、解放感抜群の赤いビキニをきた茜は今日も元気そうだ。
防衛作戦まで残り1週間となった今日は、セランからの要請で普段は体験できない大西洋の海に視察に来ていた。
全員、
参加者は、夜明けの光のメンバー+その家族といった具合だ。何と、夜明けの光メンバーの家族まで招待された。総勢150人ぐらいで、ビーチをまるまる1つ占拠している。
そして先ほど、聖奈のサプライズ水着登場で、悩殺されてしまった樹は現在、ビーチパラソルの下で休憩中だ。聖奈は、妙な罪悪感を抱えてしまい樹を現在膝の上に乗っけている。
空、桃、美月、茜の4人は、ビーチバレーをしていた。魔法の使用は禁止で、あくまで優しく繋がる事が目的のお遊びのはずだった。
少なくとも先程までは。
「はぁぁぁぁーーー、はっ!!!」
「無駄だよ、時間魔法<逆再生>!!!」
「ナイス、美月ちゃん!それ!お返しだっ!」
「負けるかよっ!」
現在は、空&桃vs藁科姉妹での戦争が行われていた。ビーチバレーはとうの昔に破壊され、先程結人が魔法で作った新バレーボール、通称"魔球"での撃ち合いが行われていた。負けず嫌いな4人が集まるとこんな事が起こるんだなと、驚いたりした。
そして所々、音速を超える魔球が放たれたり固有魔法が見え隠れしていたのは気のせいだろうか。うん、きっと気のせいだ。
なんせこれは任務で来ているのだから。
ちなみに普段は操縦や整備などを担当している他のメンバー+その家族は、子供は海、大人はビーチパラソルの下で日光浴を楽しんでいた。
優秀な人材なためか、既婚者が多く子供も多い。大人達はそれぞれ日本酒やビールを片手に昼間からドンチャラ騒ぎだ。
そして、遠くから若人の恋愛を眺めていた、それぞれの親らしく。」
次に、龍の姉妹はというと・・・
「貴方とこうして海を眺めながら笑い合う日が来るなんてね。」
「そうですね、お姉様。こうしてもう一度現実世界に顕現できる日が来るとは・・・・・・結人様と美月様には感謝しないといけませんね。」
「貴方はいいわね、人間と契約するのが2人目で、私なんてこれが正真正銘の初めてなんだけど。」
「いいではありませんか、こうして2人でいられるだけで。少し前までは考えもしなかったではありませんか。」
「それもそうね。今ある自分に感謝するわ。」
「そうしましょう、お姉様」
時間軸と空間軸を支配する2体の姉妹龍は、目の前に広がる美しい海原を眺めながら微笑みあった。
そして、例の夫婦はというと・・・
「やっぱり真夏の海は最高だね、咲夜!気持ちいいよ。」
「そうですね、結人さん。私も堪能しています。」
海岸線から100mぐらい離れた所で2人だけの楽園を作っていた。
咲夜の
長く伸ばした白い髪や透き通るような白い肌に、白いビキニがとてもマッチしていて似合っている。いつもより咲夜の可愛さが際立っている気がする。
「とても似合っていて可愛いよ、咲夜」
「ありがとうございます、結人さん」
「でも咲夜・・・・・・その・・・」
「その?どうしたんですか?」
結人は言いかけて詰まる。本当にこの発言をしていいのか悩んだが、咲夜に促されてゆっくりと口を開いた。
「・・・・・・ろ、露出度がちょっと高すぎじゃない?」
「ふふふ、それにはですね、理由があるんですよ。」
待ってましたと言わんばかりに咲夜は満面の笑みを浮かべた。
「理由?」
不思議に思った結人が聞き返すと、咲夜は今日一の笑顔を見せながら結人に近いた。
そして、結人の右腕に抱きついた。
「結人さんを悩殺するためです///」
「うっ!」
「どうですか?結人さん。私に悩殺されちゃいましたか?」
「さ、されちゃいました。」
「ふふふ、素直でよろしいですね♪ーーーーんっ!」
少ししょっぱい海水を感じながら2人は唇を合わせた。浅く啄むように何度も甘くてしょっぱいキスを繰り返す。
「えっとー、咲夜?ーんっ!」
「何れしゅか?ーんっ!」
「海の上でのするのってどうなの?」
「ふふふ、そういう結人さんだって我慢できて無いじゃ無いですか。」
「我慢なんてできるわけないだろ?」
だんだんと夢中になり、キスを繰り返す。しまいには、抱きしめ合いながら深いキスをしていた。
「ふふふ、今日の結人さんはかわいいですね。こんな結人さんを見れるのは妻である私の特権です!」
「いや、まだ結婚していないからね?」
「ではこの戦いが終わったら結婚します?」
「やめてよ、それフラグってやつじゃん。」
「ふふふ、フラグなんて物、私と結人さんの愛の力でへし折って差し上げますよ。それで?どうですか?私もそろそろ証が欲しいのですが・・・・・・」
トロントした目つきで、咲夜は結人を見つめる。あざとく、結人の心を堕とすように。
耐えきれなくなった結人は、それに応じた。
「わかったよ、この戦いが終わったら、結婚しよう。」
「はい、よろしくお願いします///」
そしてもう一度、深くて甘いキスをした。結人は、永遠にこのままでいたいなと強く思うのだった。
せっかく海に来たのにやる事は変わらない結人と咲夜。そんな2人の前ではフラグなんて物は無力に等しかった。
✳︎
「失礼します。」
扉を開けてシーナから入ると、中にいた者達およそ20名が一斉に振り返った。そして、次なる言葉を待った。戦争か、平和か、しぼられた究極の2択の答えを尋ねる。
だが、彼女の残念そうな顔からある程度の予想はついていた。
「おかえりなさいませ、シーナ様」
「お疲れ様です、シーナ様」
「シーナ様、陛下は何と・・・・・・」
「ごめんなさい、説得はできませんでした。トディア様が常に見張りに付いておられるためか、一考すらしねいみたいで・・・・・・」
「そうですか・・・・・・」
想像通り返答にガックリと肩を落とす。しかし、落としたままではいられないのも事実であった。
「では皆の衆、もう一度、計画を練り直そう。この国の未来は我々にかかっている。」
「お願いします、レベター大佐、それに皆さんも。どうかこの星に平和が訪れるように。」
「「「了解!!!」」」
人知れず、平和への道へと動き出す者達もいた。
そして、各々の想いや願いが交差するなか戦乱の火蓋が切って落とされた。
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