#3 出撃③

2049年12月1日

ニューオリンズーージルトレア本部

UTCー02:00

ニューオリンズ時間ー08:00



「50年!我々人類が支配者の地位から落ち、こうして力を貯えた時間だ。これより、人類による『反撃』を行う。この時をもって『第3次奪還作戦』の発令を宣言する。この作戦が人類のためになる事を切に願う。」



米新型航空母艦ー『スペリオル』にある『第3次奪還作戦』総司令本部よりいっせいに全艦、全世界へと宣言した。

セランの一言とともに総勢100隻を超える大艦隊がニューオリンズにあるジルトレア最大の軍港を出航した。


駆逐艦を先頭にレーダーや魔力反応を頼りに突き進む。艦砲射撃、爆撃機による爆撃、魚雷、そして何より魔法を駆使して道を開ける。


「紅炎様、人工衛星が、南南東方向1000km先に超級2体補足しました。対処をよろしくお願いします。」


「分かりました。S級魔法師の名にかけて殲滅してきます。」


「了解です。行ってらっしゃいませ。」


咲夜は1人甲板に立つと、魔力をこめた。そして、飛行魔法を使い敵UCを倒すべく飛んでいった。

久しぶりの1人での戦闘、いつも一緒にいるはずの想い人がいないというだけで彼女の戦い方は変わる。

いつもの美しく魅せる戦い方から討伐することだけを考えた鬼のような格好を・・・


そしてこの日は、人類史に語り継がれる出来事になる。

今まで後手に回っていた人類は、この日初めて大陸奪還のために動き出した。





同時刻

ジルトレアーハワイ基地

第4新型空中戦闘艦ーツクヨミ


「『第3次奪還作戦』発令を確認!」

「日本防衛軍所属『夜明けの光』、米軍所属『ゼロ艦隊』に出撃命令が来ました!」

「全システム許容範囲内!」



「了解」


その報告を聞いていよいよ来てしまったのかと再認識する。

元々、備えてはいた。

むしろ定刻通りだ。

名前ばかりではあるが、このツクヨミの艦長として務めを果たす。


「魔力制御システム始動、待機モードから通常モードへ移行、魔力障壁展開、メインエンジン1番から4番回転開始。」


「メインエンジン始動了解!」

「魔力制御システム許容範囲内です!」

「魔力障壁展開確認!」

「全システムオールグリーン、結人様お願いします。」


「『夜明けの光』所属ー第4新型空中戦闘艦ーツクヨミ、発進!」


結人の宣言が艦内に響き渡る。

船員は待ってましたとばかりにレバーを倒す。


「発進、了解!」

「発進了解。」


ガクンと、振動が伝わると少しずつ動き出し、離水した。

空中戦闘艦はその名の通り、空を飛ぶ戦艦である。

制御できる魔法師の数が非常に少ない事からその数は少ないが、核を除いて現時点で最強の兵科である事は間違いない。


「じゃあ姉さん、後は頼む。」


「うん、任せて〜」


結人は茜に席を譲ると自分は1つ前の席に座る。

他の席よりも少し高めに作られており、周辺には色々な部品がある。

この席が搭載されている戦艦は世界に1つだけだろう。


「よし!・・・・・・<ゼロ・ノート>!」


始まりの魔法で体内の魔力回路を最適化する。圧倒的なエネルギーとともに、髪の毛の色を純白に染め上げた。

全神経が魔力に対応する感覚。


そして、全世界で唯一このツクヨミだけに搭載されているシステムを使う。


「『ワープシステム』発動!」



約2万5千個の魔法陣に膨大な魔力を一気に流し込む。

全ての魔法陣が互いに連載反応を引き起こし、世界を書き換える。

そして、目の前に巨大な魔法陣が現れた。言わずもがな、ここと目的地とを繋ぐワープホールである。


「次元バリア装填完了!」

「システムオールグリーン!」

「ワープホール、突入します!」


短いトンネルを抜けるとそこは真っ暗な空間だった。

正面にはポツポツと小さな星が。そして、下には我らが蒼き星ー地球が見える。


「ワープ成功、システム異常なし。」

「現在地座標、異常なし。」

「『ワープシステム』、クールダウンに入ります。」


目の前に広がるのは未だほとんどが謎に包まれている空間『宇宙』。わずか1.7秒の時を経てブラジリア上空、高度約300kmへとやって来た。


無重力空間なので、自然と身体が浮いた。


ワープシステムを、転移型ではなく、ワープホール型にした理由は大きく分けて2つ。

1つ目は簡単だからである。船員を含むありとあらゆる物の座標を演算するのは面倒くさすぎる。可能か不可能かであれば多分可能だ。だが、それに全神経を注ぎ込んで使ったあとしばらく反動で動けないじゃ意味が無い。他にも新しい装備を入れたらもう一度演算のし直しをしなきゃいけないなどの制約がある。


それに引き換え、ワープホール型であればとても大きいメリットがある。そのワープの穴を閉じなければ、別の戦艦も一緒に輸送する事ができる点だ。

続いて後方から5隻の空中戦闘艦が続いた。


「通常モードから戦闘モード移行!付近を警戒せよ。」


「「了解!!!」」


「予定通り1周してもう一度上空を通過する時が勝負よ。全員気合いを入れて!」


「「「はい!!!」」」


6隻の空中戦闘艦が地球周回軌道に入ると、地球の周りを回り始めた。


この作戦名は『スカイ・バースト』である。

この作戦は文字通り空の上からの奇襲攻撃作戦だ。



____________________



これがss家族旅行を投稿した理由です。

あれは予行練習だったと言いわけです。


これからも2人の活躍にご期待下さい!

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