#26 世界魔法祭④

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Day2


本日行われるのは各国の首脳や代表による会談。この会談に参加をしない結人は摩天楼の51階に向かった。51階と52階のワンフロアは『夜明けの光』の基地みたいになっており、多くの最先端の機材が置いてある。

その中には普通の部隊にはまだおいていないものがある。先日咲夜の母、エリーナが開発した第二世代型魔力測定機が置かれている。

これはまだ世間には公開されていないためこの世界最強の部隊『夜明けの光』が先行テストをする事になった。


結人は『夜明けの光』の全員を集めた。

その中には最近めきめきと実力を伸ばしている黒崎 空と水篠 正樹の姿もあった。

結人、咲夜、樹は現在仮面を外している。だが、本当は髪が黒い事と苗字は公開していない。



『夜明けの光』の総員は25名、魔法師はS級魔法師が結人と咲夜の2名、A級魔法師が4名、残りは全員B級魔法師である。ただ、実際に戦闘に参加するのは5名のみ、残りはサポートやツクヨミの操縦、参謀などを担当している。


そして、結人は隊員に現在公開可能な情報を共有する。今年から適用されるシステムの事、最近偶発している魔法陣事件、そして第三次奪還作戦『スカイ・バースト』について可能な限り情報を伝える。

破滅級UCの事を聞き、全員が息を吞む。


破滅級が討伐された例は過去に2回のみ、両方とも結人によって討伐された。5年前に単独で、そして3年前は咲夜と2人で討伐した。

この世界で破滅級UCと倒した事があるのは結人と咲夜のみ。だが、全員が破滅級UCの恐怖を知っていた。隊員全員はその資料を何度も見させられた、映像、魔力パターン、魔力量など・・・

見れば見るほど恐怖を感じる。意識か無意識かはわからないが、超強力かつ高密度な魔力障壁によって半端な攻撃は全て無効化され、近くにいるだけであまりの魔力の濃度の濃さに吐き気がする程だ。

そんな破滅級UCの体内魔力量は個体によっても差はあるが、およそ20億、体外も合わせると約50億の魔力量を誇っている。

世界最強である結人の<ゼロ・ノート>を使った状態でさえ体内魔力量が2000万である事を考えればいかに強力であるかがわかる。


結人の説明を聞くと疑問を覚えた1人の魔法師が立ち上がる。


「ねえ結人君、質問があるんだけど・・・」


彼女は椿つばき 南波みなみ

『夜明けの光』の4人目のA級魔法師で戦闘担当、二つ名は『淡黄たんこうの槍姫』。振動系の魔法が得意でその名の通り槍を上手に使う。古参家の1つ『椿家』の次期当主で、年齢は22歳、世間からみた日本でS級魔法師に1番近い人間は水篠さんだが、結人からみれば彼女が1番S級魔法師に近いと思う。


振動系の魔法は強力で、色々なものを崩壊させたり敵の振動系の攻撃を中和したりと汎用性は高い。中でも、超音波による攻撃は強力だ。

彼女がその気になれば地震や津波だって起こせる。


彼女は結人達同様、普段は仮面を被っておりその情報の類は全て世間にはシャットアウトされている。


「どうしたんですか?椿さん。」


全員の視線が集まる。彼女は精神を落ち着かせると真面目な声で言った。


「なんか今日の樹君が以前よりもだいぶ気持ち悪い顔をしているのは気の所為ですか?」


そっちかよ!と思わず叫びたくなる。

彼女の天然な一言で場の雰囲気が明るくなった。南波は、見た目は冷酷だが中身はただの天然バカ。

彼女は昔、盛岡校に通っていた過去があるが、授業の成績が悪すぎて留年しかけたらしい。


「それはですね、めでたい事に樹君に初めて彼女ができたらしいんですよ。」


「おい、こら結人!何勝手にバラしてんだよ!」


「いーじゃん別に、どうせいずれバレる事でしょ?それなら早いに越したことはないない。」


「それはそうだが、心の準備ってもんが・・・」


その様子に隊員達は大笑い、結人達子供組を抜かせば後のメンバーはほとんどが30歳から40歳のおじさんやお姉さん(おばさん)だ。

皆、結人達の事を我が子のように可愛がってくれる。


「ところで結人様、挨拶には言ったんですか?」


隊員の1人が手を上げて発言をした。


結人は普通に「結人様」と呼ばれているが、咲夜の方は何故かほとんどの人が「奥様」と呼んでいる。


「いや、多分まだだよ。それにメンタルが弱い樹じゃ当分無理でしょ。」



「ちなみに誰なんですか?結人様。あの、女に興味がこれっぽっちも無かった樹君が・・・これは俺も歳をとるわけだ。」


今度は別の人が声をあげた。

一応結人は樹の方を向いた。すると、全力で首を振っていた。絶対に阻止したいらしい。


「え〜いいじゃん樹、別に減るもんじゃないし・・・」


「この中に知っている人がいたらどうする、というか絶対に全員知ってるわ。」


結人は一応プライバシーの問題もあるし黙っておこうかなと思ったが、空気を読めない人物がバラしてしまう。


「はいはいはーい!私知ってるよ!樹君の恋人はね〜『星戸 アリサ』ちゃんだよ!」


「あ・・・」「おい!茜!もしガチ恋勢とかがいたら・・・」


そう言いかけながら、周りを見回す。今の行為は今の発言が事実であると証明しているようなものだ。

すると、周りから怒鳴り声が響いた。

主に独身男性から・・・


「おい、悪魔!俺たちのアリサちゃんになんてことをしてくれてんだ!」

「冗談でも許せないぞ!」

「アリサちゃーん!!!」



「・・・やっぱりこーなったか。」

「はやりこうなりましたね。前々から分かっていた事ですが・・・」


「後は頑張ってね、樹。じゃ、そーゆー事で、今日は解散!」



「「「了解!」」」


全員がいっせいに敬礼をすると、それぞれの持ち場に戻っていった。

全員が出払った後、ある男が結人に、近づいてきた。


「1ヶ月ぶりぐらいだな、結人。」


「久しぶりですね、空。最近メキメキ上達していると椿さんから聞いています。」


空の教育係に選ばれた椿に色々と鍛えてもらっているらしい。このままいけば来年あたりにはA級魔法師になれるそうだ。

空も上の52階に自分の部屋を持っており、最近はそこで生活しているらしい。


「まぁ、ありがたい事なんだがな・・・」


「どうしたの?何か不満でもあるの?」


「不満とはちょっと違うが・・・給料多すぎじゃないか?うちの両親がめっちゃ驚いていたぞ。」


「まぁそこは仕方がないんじゃない?なんたって僕たちは『夜明けの光』だからね。」


「ははは、それじゃあ説明になってねーよ。そんじゃ、また明日な。」


「うん、さようなら。」


空は結人と咲夜に別れを告げると、背中を向けた。

そして数歩歩いたあと、振り返って、


「学校、1年の後期から大きく変わるから楽しみにしとけよ。」


っと言って走り去っていった。





午前の『夜明けの光』の会議を終えた結人だったが、やる事は山積みである。

摩天楼内部にあるレストランで昼食をとると、自室に籠り書類の整理をする。

咲夜、茜、茜の秘書の山本さんに手伝ってもらい、なんとか終わらせた。


次に、明日の1に向けて準備を進めた。



────────────────────


読んでいただいてありがとうございます!

良かったら星を下さい!

結人と咲夜が喜びます。


次話はついにS級魔法師が勢揃いします。


こっちも更新しました〜

https://kakuyomu.jp/works/16816452218306287981

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