#14 2人の世界③

以前のデートの時に咲夜に選んでもらった服を脱ぐ。

お互いに背を向けて、できるだけ向こう側を見ないようにしていた。


「じゃ、じゃあ先に入いるよ・・・」


「は、はい・・・」


スライド式の扉を開くと白い湯気が顔を襲った。

シャワーの前にある椅子に腰を下ろす。


シャンプーで髪の毛を丁寧に洗う。

すると後ろの方で扉が開く音がする。


「お邪魔します。」


無意識のうちに振り向いてしまったが、タオルでくるまれた咲夜の裸体を見てしまい、あわてて視線を前に戻す。

長い白銀の髪を可愛く結んでおり、いつもと違う雰囲気を漂わせる。


「あ、あの、どうでしょうか・・・」


「か、可愛いよ。よく似合っている・・・」


「あ、ありがとうございます///あ、あの結人さん・・・」


「どうしたの?」


背を向けながら咲夜に問いかける。

その声は恥ずかしさ半分、期待半分といった具合であった。


「結人さんのお背中を洗わせて下さい!」


「いいよ、お願いします、咲夜」


「では、失礼します。」



咲夜の温かい手を感じる。

とても気持ちがいい。


「気持ちいいよ、ありがと、咲夜。」


「どうもありがとうございます、久しぶりの試みで緊張しましたが気に入っていただけてなによりです。」



指を1本ずつ丁寧に洗っていく。


「では次は前を・・・」


「い、いやいいよ。前は自分でやるから・・・」


「いやいや遠慮なさらないでください、結人さん。」


「あ、うん。じゃあお願いします。」


断れる気がせず了承する。

もしこういう時に断ったら・・・

考えただけでも恐ろしい。


咲夜は正面に周り込むと結人に軽くキスをした後、頬を結人の腹筋に近付けると猫のようにこすりつけた。


とても気持ちよさそうだ。


「よし、これで終わりです!」


「ありがと、じゃあ次は僕がやるよ。向こうを向いて、咲夜」


「わ、私もですか?」


「いやっだった?」


「い、いえ、光栄です。是非ともお願いします。」


「じゃあ失礼しま~す。まずは髪の毛を洗うね。」


「はい///」


これ、とてもいいです♪

誰かに髪の毛を洗って貰う事は結人で2人目、そして2年ぶりぐらいだ。

大好きな人に洗って貰うというものがどれだけ気持ちがいいものかがよくわかる。


「あの、結人さん。タオルをとったらそこも洗って頂けますか?」


「ま、まぁいいけど・・・」


「では、是非よろしくお願いします。」


「おっけ~」


石鹼をとり手につけると咲夜の身体をゆっくりと洗う。

白い肌がとても綺麗だ。

いつも触れている彼女の肌だが、こうして露天風呂で触れるといつもと違った感覚に襲われる。


「・・・ん・・・っっん・・・」


「ご、ごめん。大丈夫?」


「は、はい。すごく気持ちよくて・・・続けて下さい。」


「わかった。」


「ん~~///」


「はい、これで終わり!下半身と胸は自分でやってほしいかな・・・僕は先に入ってるね。」



「わ、分かりました///」




先に湯船に浸かる。

身体全体が温まる。普段ならば心が落ち着くはずなのに今は心拍数が早まる一方だ。


しばらく黙って入っていると、身体を洗い終えた咲夜が「失礼します」と言って入って来た。


ダメだ、可愛すぎる・・・

破壊力がすさまじい。


タオルは傍に置いていて美しい彼女の裸体があらわになる。

真っ白な肌に強調された二つの山。サイズはそれ程大きくないが、張りがあって美しい。

恥ずかしそうに手で大事な所を隠しているが、咲夜の細くて白い腕では隠しきれていない。

スタイル抜群な彼女の身体は少し濡れていて、照れているのか顔は真っ赤だった。


結人は緊張で言葉を失っていた。


静かな時間が経過する。音は無く、ただ虫の声が聞こえるのみである。

緊張で頭が回らない。

手を伸ばせば触れられる距離にいるというのに随分と遠くにいるように感じる。


この空気に耐えきれなくなった結人は話しかける。


「いい湯だね、咲夜」


「そうですね、とても気持ちいいです。少し恥ずかしいですが・・・」


「そっか・・・///」


「は、はい・・・///」


そう、彼女は弱々しく答えた。

お互いがお互いの事を強く意識していまい、かけるべき言葉が見つからない。

チラッとお互いを見て恥ずかしくなって元に戻るを繰り返す。


「咲夜、大好きだよ。」


しばらくして結人はっきりと咲夜の方を見るとそう告げた。


「へ?あ、ありがとうございます///」


いきなり伝えられた為かビクンと身体が反応する。


「実は緊張しちゃって、何を話せば良いのか分からなくなって・・・だから僕が今1番言いたい事を言ったの。咲夜、愛してる。」


結人は咲夜の肩を掴んでこちらに引き寄せると強引にキスをした。

長くて深いキスを・・・



「私も結人さんが大好きです!」


「ありがと///」



もう一度深いキスをすると、2人はお風呂から上がった。



2人はそれぞれ和服に着替える。

咲夜は白とピンクを基調とした花柄の和服。

結人は藍色を基調とした青海波の和服



しばらくすると部屋に料理が運ばれて来た。

手を合わせ、声を揃えて「「いただきます」」と言って食べ始めた。

先程と違い、会話が弾んだ。

しかし、緊張して料理の味はおろか、会話の内容はよく覚えていない。

たしか結婚したら何がしたいかなどを話した気がする。


女将さんに料理の感想とともに下げてもらう。

そして、手を繋いだまま寝室へ向かった。


女将さんが気を効かせてくれたのか、布団は1つだけ。

布団の上に向かい合わせに正座して座った。



結人は認識阻害魔法や魔力障壁などを何重にも部屋中に張り巡らせた後、自身と咲夜を守る4重の魔力障壁を解いた。


久しぶりにスッキリとした感覚に襲われる。



「今まで本当にありがと、咲夜。これからもよろしくお願いします。」


何を言えば良いのか分からずそんな事を言う。

すると、咲夜も照れながら応えた。


「こちらこそありがとうございます、結人さんには何度も助けられました。これからも妻としてよろしくお願いします。」



覚悟を決めると、結人は顔を近ずけ、深いキスをする。

そして、優しく横に押し倒した。

結人は咲夜の上に覆いかぶさる。







「結人さんは私のものです。そして、私は結人さんのものです。結人さんのを下さい♡」








「世界で1番愛してるよ、咲夜」


「んっ・・・♡」






そして2人は、身体を重ね、愛しあった。

時を忘れてずっと。







________________________________



いかがだったでしょうか。

初々しさが表現できていたでしょうか・・・

もう少し練習したいです・・・



『2人の世界』はもう一話続きます!

お楽しみ!



これからもよろしくお願いします!

良かったら星を下さい!

作者が喜びます。

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