#3 絶対に受かる入学試験①
『国立日本魔法師育成学校東京校』
日本で8校しかない、UCに対抗するために作られた魔法師育成学校の一つで、東京湾に浮かぶ人工島に作られた学校である。
毎年100名以上の魔法師を世に送り出している由緒ある名門校で、学内ランキング30位以上になると『ジルトレア』の日本防衛軍に入隊する時に有利になるという特典付き。中にはそれを目当に入学する人もいるほど人気な学校だ。
生徒のレベルも高く、卒業時には下級UCを単独で討伐できる程度の戦力をもつように、カリキュラムが組まれている。日本防衛軍に強制的に入隊しなければならない決まりはないが、卒業生の約7割が毎年、軍もしくはそれに近い機関に配属している。
また、日本では未来を担う魔法師を育成するためにこの学校には、目が飛び出るほどの税金が使われている。そのため全寮制で学費、食費、魔法具の貸出料など全て国負担のちょっと特殊な学校だ。
入学試験当日、僕たち3人は姉さんに送られて『国立日本魔法師育成学校東京校』の校門の前にいた。
「大きい・・・初めて来たけど想像以上だ・・・これからここで4年間過ごすのか・・・」
「そうですねぇ。私も初めて来ました。」
「俺も初めてだわ、でけー。それにさすが人気校、受験者多いなぁ〜」
「そろそろ入るか。」
「はい、そうしましょう。」
中に入ると600人ほどの受験者が今か今かと試験開始待っていた。
過去問を解く者、剣を磨く者、みんなそれぞれにあった方法で精神統一をしていた。緊張が高まる中、会場の一角が沸いた。
「御覧になって、
「すげ~初めてみた~」
「隣は
「あの天才たちと同じ学年とか緊張する・・・」
「お前なんか相手にされなだろ・・・」
「はははー。」
その様子を遠目で見ていた結人は首をかしげていた。そんな人物聞いた事が無かったからだ。
「2人とも知っている?あの人たち。」
「さぁ。よく分からないけど有名なんじゃね。」
「すみません、存じ上げません。」
「まじか、この年代なら全員知っているほどの有名人なのに、知らない人がいたとはな・・・・・・あれはこの辺で有名な魔術師の2人だよ。確か世界ランク入りもしている凄腕魔法師だよ。同じ学校を受けることは自分も知りませんでしたが・・・とにかく有名な2人ですよ。」
「へ~。すごいんだなぁ・・・ってきみは?」
会話にいきなり入ってきた声に驚きながら振り返ると、そこには金髪イケメンというハイスペックな男が立っていた。
「自分は
「この方なら聞いた事があります。今、最もS級魔法師に近いと言われているA級魔法師
「僕も聞いたことがある、確かこの年代で最強と言われている人だよねぇ・・・・・・」
ーーー聞いたというより本人にから自慢されたばかりって感じだけどね・・・あのおっさんが自慢げに自分の息子のことを語っていたから覚えている。
「たしかそうだったな。」
「お恥ずかしながら・・・」
「僕は藁科結人、隣は仙洞田樹、こっちは嘉神咲夜よろしく。」
「よろしくお願いいたします。」
「よろしく。」
「あぁよろしく。」
すると周りがまた騒がしくなった。その理由はーー
「あれが同年代最強の・・・」
「カッコイイです~まさに王子様~」
「風格が違う・・・」
あまりにも有名すぎる大和に注目が集まる。
すると当然のように隣にいる銀髪美少女である咲夜にも注目が集まった。
「なにあの子めっちゃ可愛い~天使みたい~」
「可愛い~」
「ごめん邪魔したみたい。またどこかでな~」
その周りの様子を見ていた大和はばつの悪そうな顔をしながら走り去っていった。
ーーさっきの3人不思議な感じだった、まるで魔力が感じなかった恐らく結構な実力者だな。同じクラスになれるといいな・・・・・・
「面白そうなやつだったな、結人」
「うん、魔力もいい感じだったしね、再会が楽しみだね。」
「お前はほんと魔法馬鹿だな。まぁいっか、今さら言っても意味ないな。それより結人、お前はどのぐらいの威力値にする気なんだ?」
「僕は1500かな・・・」
「私も1500ぐらいにしようかと思います。」
「やっぱそのぐらいだよな。でも俺は筆記試験多分低いから2000ぐらいにしようと思っているんだが・・・学生の平均なんてわからないからな・・・」
魔法師における強さを示す基準の一つ、『威力値』。
約30年ほど前の初代序列1位 キリア=メスタニアによって定められたもので、現代における一般人の平均値は50ほど、そして人類防衛軍の軍人の平均は5000ほどである。
また、災害級UC討伐に必要な威力値100万ほどと言われて、これは非常に重要な魔法師としての指標になる。
この東京校でも例に漏れず、威力値によって生徒の優劣が判断されていた。
「それより先に試験ですよ、結人さん」
「流石に落ちないと思うけど頑張ろ!」
「おうよ。」
3人は知らない結人の姉、茜の手によって既に合格していることに・・・・・・
____________________________________
読んでいただきたいありがとうございます!
良かったら星を下さい!やる気が出ます!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます