#2 世界最強②

「と、いうわけでゆい君には今から国立日本魔法師育成学校東京校に入学してもらうからそのつもりでね〜書類は全部まとめておいたから〜」



災害級UCを討伐した次の日、司令官に呼ばれたため、僕は人類防衛軍東京本部の司令室にきていた。昨日の報告をひと通りすませると司令官はニヤリと笑いながらそう言ったのだった。


「え?・・・もう一度言ってもらえないでしょうか、司令官」

「司令官じゃなくて”お・姉・ちゃ・ん”!」

「はあ・・・・・・わかったよ姉さん。」


この人は藁科わらしなあかね、僕の姉にして日本防衛軍の司令官。いつもこんな感じだが日本防衛軍の中で結構偉い本人曰く。


ゆい君も来年で16歳でしょ~。普通の人は育成学園に行ってる年齢だよ~。そこで~お姉ちゃんが4年間の息抜きを作ってあげました~」

パン!っとどこからか取り出したクラッカーを鳴らした。正直、うるさいだけだ。


「まぁ前から行ってみたいな、とは思っていたけど、僕何にもわからないよ?」

「そこは心配しないで~結君のために、優秀な助っ人を用意しました〜」


次の瞬間会議室の扉が勢いよく開き2人の少年少女が入ってきた。


「おひさ~、結人~」

「お久しぶりです、結人さん。」

「姉さんもしかして・・・・・・」

「さっしがよくて助かる♪頼んだら2人とも快諾してくれたのよ~」

「樹、咲夜、2人が一緒で心強いよ、ありがとう。」


「おいおい頼むぜ世界最強~人類の存亡はお前にかかっているといっても過言じゃないんだからさ~」


身長は結人よりも少し高く黒い髪に青い瞳の少年は仙洞田せんどうだいつき。どこにでもいそうな少年だが、裏の顔は世界中から『青の悪魔』と恐れられる、序列24位にして日本7位のA級魔法師だ。結人と一緒に働いているうちに仲良くなった、結人の親友の1人。


「婚約者として当然ですよ、結人さん。・・・それに悪い虫から結人さんを守らなきゃですし。」


こっちの身長は結人よりも少し低く長く美しい銀髪に真っ赤な瞳の美少女は嘉神かがみ咲夜さくや、結人の幼馴染の一人。こっちも裏の顔があり序列4位にして日本2位のS級魔法師、圧倒的な強さと思わず見惚れてしまう美しさから世界中から『紅焔こうえんの姫』と呼ばれ。幼い頃から両親の仲によって藁科姉弟と共に過ごしてきた結人の幼馴染の1人。

2人は数年前、両親達の願いと本人たちの希望によって婚約者となった。


「一応学校では序列のことは秘密にしてね~ばれたら大変なことになるからさ~」

「わかってるよ、姉さん。どうなるか目に見えてるから・・・・・・でも大丈夫なの姉さん、僕たち抜きでこの日本を守りきれるの?」


結人たち3人が抜けると破滅級が出現した場合、この日本が滅びかねない。そもそも結人たちがいても足りないぐらいの戦力差だ、唯一の救いはUCに統率性がないことだけだった。しかし、いくら統率性がなかったとしても圧倒的な強さをほこるUCに未だ地球を支配されていた。



「災害級以上が複数体同時に出現したら戦場に行ってもらうけどそれ以外ならなんとかなるよ~なんたって日本この国にはS級が4人、A級が21人もいるんですから。だから安心して羽のばしてきなー」


「うん、ありがとう、姉さん」


「樹くんに義妹ちゃん、私の可愛い弟をよろしくねー」


「はい、お義姉様。」「了解したぜ。」



特例を除き、超級以上のUCの単独討伐でA級、災害級以上のUC単独討伐でS級魔法師としての資格が与えられる。

現在世界にはA級魔法師は96名、S級魔法師はたったの12名しか存在しない。そしてその中でも日本は世界で2番目にS級魔法師を保有している魔法先進国である。

また、未確認敵対生物、通称"UC"には強さの基準を示す脅威度が存在する。脅威度は下から下級<中級<上級<超級<災害級<破滅級の6段階が存在していて、圧倒的な強さをもつ破滅級を現段階で人類は未だに2回しか討伐しておらずいずれも同じ人物によるもののみだった。



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2日に1本投稿を目指します!

これからもよろしくお願いします。

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