10 この地を守り抜く、そして黄昏へ
——壊れてく 世界の果てで 思うのは ただ守ること 命懸けると
不思議な感じの少女がバルドルと出会う。
春季の暖かい陽気が永祁を入れた三人を包み込む。
「私は、エルダ。エルダ・クリステロイ…」
バルドルが家名に驚愕する…
「先代英雄…リアラ様の旧姓…その子孫か…」
リアラの旧姓は、リアラ・クリステロイ。
「あの…大火について、何か知っているんですか?」
先程から、大火について執拗に知りたいようだがー。
「何故、大火について知りたい?君と関わりがあるのか…」
次の瞬間、大地が揺るいだ。
「何事!」
翡翠が槍を構える。
バルドルもレーヴァテインを握る。
エルダが魔杖を取り出す。
「つい先日『セカンド・ユグドラシル』が片付いたばっかなのに…」
バルドルが周りを見渡すが何も起こらない。
この揺れは何が…
何の変化も感じられないが、どこかで何かが起きたことは確かだ。
「エルダ。とりあえずここから離れよう…向かうはコモリッチ領だ。」
今いるヴィクテリアとは離れた場所。
「——。分かりました。そこで大火について話してくださいね…」
ヴァルハラ
「まさか、死ぬなんてね。」
「何ですかその言い方⁉」
リアラと話す、その人は戦死したヘクセレイだ。
「あなたは使命を全うしました。」
「あぁ。」
天界からバルドルを見下ろしながら。
道中、ふと空を見あげる。
「どうかしたのかですか?」
「いや、誰かに見られた気がしてな…」
「ヘクセレイじゃないっすかですな…」
戦死した彼の分も、精一杯生きるとそう決めたから―。
「——この地を守り抜く。それが俺らの努めだろ?」
空にいるヘクセレイに問いかけるかのように、そう言い放ったのだ。
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