第3話 分解されたメガドライブ ー軍需部品の宝庫ー

話はメガドライブ発売当日に遡る。


数台のメガドライブを入手した在日ロシア人たちは、秘密のラボでメガドライブを早速分解し、部品一つ一つを調べ上げた。そして驚きの声を上げた。


UNIXワークステーションに使われるMC68000、64KBのデュアルポートVRAMと64KBのメインRAM、あわせて128KB(1MBit)のRAM、ICによって分周され、1MIPSの処理能力を与える53MHzのクリスタル。兵器の制御に用いることができるZ80CPU。そしてヤマハの音源チップに使われるD/Aコンバーター。A/Dコンバーターを構成するコンパレーターの代わりとなるステレオオペアンプ。メガドライブ間の全二重通信を可能にする通信ポートIC。どれも部品単独では決して共産圏に持ち出すことができないものばかりだ。


そして、メガドライブの側面には拡張スロットとしてCPUバスがむき出しになっていた。つまりここに何でもつなげることができる。


彼らはすぐさまソヴィエト政府に連絡をとった。なんとしてもこのゲーム機を大量に日本から持ち出さなければならないと。

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