第2話学年中に知れ渡る嘘

翌日。

登校してすぐクラスメートが駆け寄ってきた。何で隠してたのか、かっこいい彼氏だねと言われた。

まともに話を聞いてくれない。学年中に知れ渡る。すれ違う同級生から声をかけられることが多くなった。

仲のいい教師からも祝われる。


昼休みに入り、一人で昼食を摂っていると、ことあるごとに彼氏と食べないのと聞かれる。

付き合ってたとしても一人になりたい時だってある。付き合っていないのだから、一人で食べていようがおかしくない。

友達と食べていた親友が近くの椅子に腰かけ、話しかけてきた。

「なんで私にまで隠してたの?イケメンで恥ずかしかったの?」

「違うから。私の体質、知ってるでしょ」

頑なに否定していると、腹を抱えながら笑いだす親友。

「付き合いがトラブルなわけないじゃん。香保が可愛いから付き合えたんでしょ。今まで付き合ったことがないのがおかしいよ。っはは。ふぅあはは」

笑いながら友達のもとに戻っていく。

早く帰って、漫画を読んでときめきたい。

はぁー、とため息を吐く。

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