危機3

 ここに異放の力が集った

 本来集まるはずのない強力な力が五人分もである

 対するダーカーにそこまでの力はない

 ないはずだが、何か不穏な気配がしていた

「深淵の闇、と言っていましたが、それはもしや世界の始まりから生まれた闇、ということですか?」

「かつて、僕が生まれた後にこの世界の闇が生まれた。闇は僕から始まったんだ」

「始祖の闇、ということですか」

「君たち、世界を創ったって存在だよね? でも僕はそれより以前からいた。君たちよりもはるかに古いのさ。僕から生まれた闇がただの概念になった今、僕がようやく動けるようになった。ずっと僕はこの機会を待っていたんだ」

 ダーカー、始祖の闇

 全てを闇に包み、世界が無かったころの真っ暗な闇の世界へと回帰させることが望みだ

 アウルによって見つけられた彼は、アウルの思想に共感し、協力することにしたが、自分の分身が砕かれたことに腹を立てて、分身を壊した何者かを最初に殺そうと、この世界に来た

 そして最初に遭遇したのがルニアだった

 その異放の力に反応したのだろう

 ルニアを敵とみなし、今更なる力を体にいきわたらせていた

「さて、君らを殺せば僕の願いはすぐ叶えられそうだ」

「そう上手くいくかしら? こっちは五人よ」

「いくさ、こっちは無限だからね」

 ダーカーが不気味に笑うといきなり地面から闇が吹き出し、それらが一つ一つダーカーの分身となる

 そして一斉に襲い掛かって来た

 こんどは力を分けた分身ではない

 自分自身が、自分と全く同じ力を持った者達が増えたのだ

「「「さあ殺すね」」」

 ダーカー数百体が五人に一斉にかかってくる

 ルニアは一人の腕をつかみ、地面にたたきつけた

 だがあまりダメージはない

「これでだめならさらにギアをあげる!」

 そしてさらにダーカーを思いっきりたたきつけた

「異放の力、タブーフィスタ!」

 たたきつけたダーカーを異放の力が宿った拳でただひたすらに殴り続ける

 地面がえぐれ、ダーカーはめり込んでいった

「く、硬い。でも一人倒した」

 ダーカー一人の力はルニアと同程度

 決して勝てない相手ではないことは分かったが、それが数百体

 状況は絶望的だった

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