メルカ覚醒2

 おそらく数十回目のチャレンジでいきなり転移できた

 何だったんだろう

 問題があったから入れなかったはずだから、その問題が解決されたってことになる

 到着した救世界は平和なものだった

 その中心にいたのが、綺麗な女神様

 誰だろう? どこか見たことあるような気もするけど

「あの」

 その女神に話しかけてみた

「あら、あらあらあら! リディエラちゃんんじゃない!」

 僕は驚いた

 その声、雰囲気、神力の気配

 間違いなくプリシラ姉さんだった

「プ、プリシラ姉さん!?」

「ええそうよ、私ですよリディエラちゃん」

 そのお姉さん、プリシラ姉さんは僕にガバッと抱き着いた

 で、でかい、何がとは言わないけど

 少し前までハクラちゃんと同じくらいだったのに

「あの、その私の心にぐさりとナイフを突きつける大きな方は誰ですか?」

「あ、ハクラちゃん、この人は僕の姉さん、プリシラ姉さんだよ」

「なんと! お姉様ですか!? どうも、いつもハクラちゃんにお世話になっています!ハクラです」

「あら可愛い。小さいですね。あの、抱っこしても?」

「ムー、いいですけど、小さいはやめてください」

 ムスッとするハクラちゃんを抱き上げる

 ハクラちゃん、この姿になってからいろんな人にだっこされるな


「なるほど、それでその子が・・・。そして、久しぶり、アイシス」

「おう、こんなとこで会えるなんてな、リディエラ」

 親友の勇者アイシスがいたこともすごく驚いたよ。だってあの世界に残ってたはずだったからね

 それになんか、僕と同じくらいの力を得てる

 というか同じ力も感じる。十二獣神かな?

「当たり。同じ師匠だな」

 僕もアイシスも十二獣神のもとで力を新しく得たんだ

 あの人たちには本当に感謝してるよ

「というわけで俺が来た時にはもう終わってた。こっちのプリシラ様が終わらせたんだ」

 そしてプリシラ姉さんが生まれ変わらせた少年を見てみる

 なんかすごく可愛いんだけど。この、なんて言うか、庇護欲を刺激される感じ?

 お姉さんがよしよししてあげるからねぇって言いたくなる

 これはハクラちゃんと人気を二分するかもしれないな

「ひとまずこの世界は大丈夫ですが、やはり敵は強くなっています。救世界も本腰を入れた動きます」

「はい、メシアさん、よろしくお願いします」

 救世界の人達は強い。そんな彼らが動き出すとなると、ウルとの全面戦争も間近ってことだ

 果たしてウルはどう動くんだろう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る