　かつて天人という種族がいた

　彼らは元々地球にだけいる種族だったが、遥か昔に地球を出て様々な世界に散った

　始まりの人間族である五色人と同じく、相当な実力を持っていたが、争いごとが嫌いな平和な種族だった

　そのため平和を求め、ある者達は異世界へ、そしてある者達は月へと旅立った

　彼らはその土地の者達と交わり、段々と数を減らしていったが、月にいた天人たちは順調にかずを増やしていた

　そして数万年ほど前のこと、ダーカーに操られた闇の一団に襲われ、カテンとその父親を残して全滅した

　一緒にいた月兎たちも、トコを唯一の生き残りとして絶滅

　その際トコの月兎としての狂気の力が覚醒したため、闇たちは同士討ちを始めた

　トコは訳も分からないまま、親友だったカテンと、自分の父親代わりでもあったカテンを未来の異世界へ飛ばし、自身もアマテラスの祀られている神社へと飛ぶことができた

　それから数年がたち、トコはアマテラスの神獣となっていた

　それがリディエラやアイシスに力をつけた十二獣神のもととなる、十二神獣である

　トコは親友や親代わりの天人を亡くしたと思い、すっかりひねくれてイタズラ三昧

　だがそんな彼女にも信頼できる人ができた

　それが元人間のアコだ

　十二獣神になる前のアコは、サニア、ルニア姉妹の親代わりだった

　親としての時間は短かったが、確かに親であった

　二人共彼に懐き、信頼していた

　そんな彼が彼女になったのは、サニア達を助けるために旅をし、アマテラスの眷属となったからだ

　神の力を手に入れたため、その力に引っ張られて姿が変わったのと、単純にアマテラスの嗜好もあった

　やがて十二神獣は、十二獣神となり、全員が神となった

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