悪意を植え付けられた者達10
「ブラック様、み、見つかり、ました」
「ふん、遅いわ!」
報告に来た者が粉々に砕かれる
ただブラックが機嫌の悪い時に報告に来ただけ
それだけの若者が消された
それを見て憤る女性
彼女は尼のような格好をしており、非常に硬い意思を持った目をしている
年のころは五十代後半といったところで、虐げられて怪我をしたものを介抱し、癒しの力で治していた
かなり消耗はしているが、それでも彼女は傷ついたものを介抱せずにはいられない
彼女の家系は僧侶の家系
誰かを助けることに理由などつけない
彼女の名は利燕
利善の母だった
「やめなさい! なぜこのようなことを」
人を一人いともたやすく消した
何のためらいもなく、ただイライラしたという理由で
だからこそ利燕は怒った
殺されるかもしれない危険性を覚悟で前に出たのだ
「ふん、貴様は殺すなとの命令がある。その力に命びろいしたな」
利燕の力である回復は神への信仰心からその神の力を借り受けることができる
複数の神を信仰する彼女の宗派は信仰心が高ければ高いほど神に近い力を使うことができる
そして彼女は最もその力が強い
利善の力も同じように神から借りるものだが、彼はそれに加えて独自の力を持っている
ひとまず助かった報告者たちを誘導する
「それで、ルニアとやらはどこにいた」
「二つ隣の世界です。そこでウルの下級兵を狩っているようです」
「雑魚を狩っていい気になっているというわけか。ふん、まあ俺を楽しませてくれるならそれでいい。出来るだけ泣き叫ばせてから殺そう」
ブラックはニタリと笑うと転移した
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