開花2
「遥か遥かに昔のこと、まだ世界というものができていない頃の話です。異放の旅人が世界に種を振りまくために現れました。創造主リルカの両親です彼らは種蒔く者とも、ただ異放とも呼ばれています。異放とは、異なる放浪者、つまり異なる世界を放浪する者という意味です。彼らは世界を創り出す一族で、私達の世界も彼らの一族により作られているのです。そう、これらの世界が全て集まった大世界もそうです。私達の世界がある大世界の他にも、たくさんの大世界があります」
メシアは一息つくとまた語りだす
「そして世界の種とは、彼らが生み出す、文字通り世界を創り出すための種です。創造主リルカはこれらを生み出し、世界を創り出していきました。そして最初に生まれた知恵ある種族が、世界の種から創り出された人間族の祖、五色人です。五色人、そのリーダーたちである五色の王は世界の種から生まれたのです」
聞いていて気の遠くなるような話だった
しかしその話が嘘ではないことは、今の自分たちの状況から理解できる
「五色の王は圧倒的な強さを持っており、中でも黄人、その中でも一握りの黄金人はリーダーとして五色の王を導いていたそうです。そして彼らは人間族を創り出した後、姿を消しました。黄金人の唯一の生き残り、それがカイトです。彼は最後の黄金人として神々に育てられたそうですが、彼以外に黄金人は見つかっていません」
まだ生きていると言われたその黄金人、エーテは是非ともあってみたいと研究家気質が震えたが、今は抑える
「さて、話を戻しましょう。彼ら五色人の王はそれぞれが違った世界の種から生まれました。あなた達のように植え付けられたわけではありませんが、能力が芽吹き、開花したのは間違いありません。圧倒的すぎる力を持っていたと言われていますから」
「その開花に必要な条件とは何なのですか?」
「あなた達は既に芽吹いていますね? それならもう開花に必要な条件は整っています。あとはあなた達次第。心がその力を決めます」
「心が?」
「ええ、こころのままに力を扱いなさい」
そうは言われたものの、エーテたちはどうすればいいのか分からなかった
だが、どうなりたいかはしっかりと定まっている
つまりはそれを目指せということだと理解した
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