メルカとの旅9

 あまりにも強すぎる二人の少女

 あの鬼神二人が苦戦することなんて考えられなかった

 僕達は今かつていたと言われる大神よりも強いはずなんだ

 それにもかかわらず相手の攻撃はこちらを傷つけ、相手はかすり傷もつかない

「まさかこの私が、ここまで手も足も出ないなんて」

「く、おねえちゃん、私、もう」

 ハクラちゃんが倒れる

 ハクラちゃんを守るためにクロハさんもかなり傷つき、右腕なんかはちぎれかかっていた

「クカカカカア! いい血肉だ! ぼくちん感激!」

「君たち人間じゃないよね? だったら別に殺さないからさ、そっちの精霊神だけ咲くって殺させてっちよ」

 あいつらの話を聞くに、どうやら狙ってるのは僕とメルカちゃんだ

 鬼神二人の合間を縫って僕らも攻撃を加えているんだけど、それらはキミーとかいう少女の力で飲み込まれていくんだ

 彼女、力を食べてるかのような、そんなほの暗い力を感じる

 そして案の定

「お腹いっぱいだっち!」

「お、たまったねキミー」

 キミーが何らかの力を発動させる

 これはまずい、まずい気配がビンビンする

 怖い、これを喰らったら絶対に死ぬ

「ハクラちゃん! クロハさん!」

 明らかな射線上に二人がいる

 間に合わない

 僕は手を伸ばして二人を助けようとした

「アンチ」

 キミーの力が撃ちだされた

 それは今まで僕らが加えたダメージが丸々返されたもの

 百回死んでもまだしに足りないほどの出力で僕らを襲った

 もうだめだ

 目をギュッとつむって、そして僕は死を覚悟した

「この! 何だっちお前! 邪魔するなっち!」

 キミーの声がする

「あなたは! なぜここに!?」

 クロハさんの声がしたところで目を開けると、そこには見知った顔が立っていた

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