想像で創造する女神13
「ようこそ! ここは我がネの国です!」
ネの国
鼠の旗を掲げた国で、かなりの小国だが、この世界で最も古い国十二国の一つだ
「ハツカ、戻ったか。どうだネコの国の様子は」
「トガリさん! ネコの国は特に変わった様子はありませんでした。戦争の準備をしているというのはガセだったのかも」
トガリと呼ばれた忍び装束の男
彼はフムとうなづくと何やら紙に書き記して懐から出てきた鼠に持たせた
ネズミはトトトと駆けて行ってしまう
「ところで君は?」
「私は女神プリシラ、この世界に危険がないか調べに来ました」
「女神? 冗談はやめてくれ。そのように小さな女神様があろうはずなし」
「ほ、本当です! この方は女神様なのですトガリさん!」
「まったくハツカよ。物事をよく見極めろと昔から口を酸っぱくしてだな」
「本当ですって! ほら女神様、あのめがみぱぅわぁ~ってやつをほら!」
「女神パワーです。はぁ、これ恥ずかしいからあまり使いたくないのですが、話を円滑に進めるためには仕方ありません」
光り輝くプリシラ
それを見てトガリはすぐに膝をつき、頭を垂れた
「申し訳ありませぬ女神様! まさかかように小さく可愛らしい女神様がいるとは存じ上げず。いやはや、何とも愛らしい」
「あ、ありがとうございます。それにしても戦争、ですか?」
「はい、まぁ誤報でしょう。ネコの国とは同盟を結んでおりますゆえ」
その後トガリとハツカの案内の元ネの国に入った一向
「わぁ、可愛いですね!」
そこかしこにネズミの銅像があり、まるでマスコットのようだ
「この鼠は昔国を立ち上げた、初代ネの殿であるハタを救ったとされるチュウデンというネズミでして、主人であるハタをかばって亡くなったと伝わっています。チュウデンがいなければハタは逃げのびることができず、ここにたどり着けずに今ネの国はなかったことでしょう」
かつてこの世界にも命の取り合いの戦争はあった
その時はやはり殿は狙われ、殺されることが多かった
しかし十二の国が立ち上がり、世界に殺し合いを無くした
戦争のルールを定めたのだ
いたずらに人の命が失われる戦争を嫌った当時の国々はその意見に賛同し、戦争で命が失われることはなくなった
「まぁうちは弱小国で、土地もほとんどを奪われてしまいました。しかし数年前からネコの国と同盟を結んだことによって守られているのです」
「猫の国は世界でも三指に入るほどの大国です。彼らは温厚ゆえに自分達から戦争を仕掛けることはありませんが、守りとなるとまるで猛獣のようで頼りになります。私も彼らを見習いたいものです」
「すごい国なのですね、猫の国は」
「はい!」
その後ネの国の歴史を学んで、プリシラはもらったチュウデンのぬいぐるみを抱っこしながらウトウトとし始めた
「あ、すみません、うちの女神様お疲れみたいっす。俺が部屋まで運ぶので、布団を用意してもらってもいいっすか?」
「はい! 任せてください!」
ハツカが部屋に案内し、布団を敷いてからオディルスがプリシラをそっと寝かせた
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