神と鬼神11
だいぶこの子の言ってることが分かってきたから話をまとめると
フェアリスちゃんは自分の親であるアティという人を探しているらしい
人?ではないだろうけど種族が分からない以上人と呼称しておく
そのアティさんは彼女を産んで優しく母親らしく育ててくれたらしい
彼女達の花のような生殖方法で、風で運ばれてきた花粉のようなものを体内に摂取して受粉、みたいな感じかな
で、生まれたフェアリスちゃん
名前が与えられるのはもう少し育ってからだったらしく、一人前の大人になったら名前をもらえるみたい
つまりフェアリスちゃんは見た目通りまだ子供
それなのに一人でこんなとこまで来てお母さんを探してる
いや来たのは本人の意志とは関係ないか
いきなりここにいたらしいし、もしかしたらお母さんは元の世界にいるのかもしれない
でもそれだったらどうしたらいいんだろう?
いくら世界を渡っているとは言え、僕らに大世界を超えるほどの力はない
「アティ、いるとこ私分かるよ! アティずっと繋がってる!」
なんとフェアリスちゃんはアティさんとリンクしているみたいで、その位置がなんとなくだけど分かるっぽい
でもこの世界にはいないからどうしたらいいか分からず、途方に暮れてたところを巨大昆虫に襲われて、そこで僕らと出会ったってことだ
ひとまず連れて行こうと思う
「じゃあフェアリスちゃん、一緒に行こっか」
「うん!」
あ、可愛い
ハクラちゃんと同じくらいのサイズで抱きしめがいがありそう
ハクラちゃんを抱っこするとクロハさんの目が怖くなるからあまりできないんだよね
だから僕はフェアリスちゃんを抱っこしたまま歩き始めた
「ず、ずるいです!」
ハクラちゃん、君を抱っこすると怖いお姉さんが殺意の波動に目覚めるんだ・・・
「リディエラちゃん、その子の解析が無事終わりました」
この間にもサニアさんがフェアリスちゃんについて調べてくれていたんだけど、それが今終わったみたいだ
「この子には魔力や気力、仙力も何もかも、この世界にあるような力はまったくありませんでした。しかしながらどうやら大世界の外、つまり別の大世界の力はもっているようです。つまりこの子にはこっちの大世界での法則が通用しません。力量や質量、その全ての法則を外れています」
法則無視
これはヤバいかもしれない
こっちの常識が全く通用しないんだから、食べ物とかももしかしたら食べたら毒になるかもしれない
水分が必要なのかもわからないし、それにもしかしたらこの子の出した排泄物がこっちにとっては危険物質かもしれないんだ
まあでもそれもちゃんと加味してこの子を連れて行くって決めたんだから、この子のお母さんのところまで連れて行くまではしっかりと面倒を見ようと思う
それにコミュニケーションは取れるようになったんだ
じっくり聞いてちゃんと対策すれば大丈夫だね
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