大勇者と従者4
その世界は全体面積が地球のロシアほどしかなくかなり小さな世界だ
そしてそこで暮らす人々も小さい
つまり小人の世界だった
そんな小人の世界にアイシスとアン、そしてウルの幹部三人が降り立っていた
大きさはロシアほどだが、大陸の大きさは日本の本州ほどしかなく、お互いに直ぐに見つかって戦闘態勢となった
「この場所じゃ狭い、場所を移そうか」
そう言ったのは意外にもウルの方だった
「それは願ってもない申し出だが、なぜおまえたちが世界を気遣うんだ? 今までさんざん滅茶苦茶にしてきたくせによぉ!」
怒るアイシス、しかし彼らがフードを脱いだことで驚き、奥歯をギリギリと食いしばった
「そうか、そうかよ。悪かった」
彼らは首や体に爆弾をつけられていた
どうやら無理矢理従わされているようだ
「どうしたらいい? 助けて欲しいのか?」
「いや俺たちのことは別にいい。どうせろくな人生なんて送って来ちゃいない。だが頼む、あんた見たところ勇者だろう? だったらウルに囚われている子供達を助けて欲しいんだ」
「子供?」
「ああ、とある世界にかなりの子供が、実験体として囚われているんだ。あれは今思い出してもゾッとする。悪事ばかり働いていた俺たちでも、あの光景には虫唾が走った」
男たちは子供が傷ついていたのを見てどうしても助けたいという衝動にかられたらしい
彼らは自分の能力を使って盗みなどを働いていた小悪党たちだ
しかし根はそこまで悪くないようで、人を傷つけたりは絶対にしなかった
「場所はここだ。ここに行って子供達を、救ってくぶがっ」
男の首についていた爆弾が爆発し、続けざまに後ろにいた男二人の爆弾も爆発して男たちは死んだ
「くそ! 遅かった」
話を聞いてから男たちの爆弾を何とか外そうと思っていたが、いち早くウル側に対応されてしまった
男たちの死体を丁寧に弔うとアイシスは男からもらったその世界に通じるアイテムを見つめる
クイクイと袖を引っ張られてアンを見た
「う、うう!」
「ああそうだな、きっと助け出そう。この人たちのためにも」
アンはうなづいてやる気満々だと身振りで表現している
そんなアンにうなづき返してアイシスはアイテムからその世界への気配を辿った
このアイテムはどこかの世界の建物の一部らしく、そこで作られた為その世界の気配が染みついていた
「行くぞアン!」
「うーううー!」
そして二人はその子供達が非道な実験を受けている世界へ飛んだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます