イーラとアインドーバ8

 ゼアが二人を連れてきたのはウェアとディメがいる学校の一室

 建物はどれもボロボロだが、人が住むには問題ない程度には修復されている

 これならたとえイーラの仲間を連れてきても大丈夫だろう

 ウェアとディメに二人を紹介したゼアはさっそくイーラと共に仲間を迎えに行ってしまった

「あの子、せっかちね」

「ああそうだね、姉はせっかちだと僕も思う」

「はい、でもいいお姉ちゃん、です」

「そう、いい子なのね」

 アインドーバはウェア、ディメと他愛のない話でもりあがり、すぐに打ち解けた

 二人共顔がいかついアインドーバを怖がることなく普通に接してくるため、彼も話しやすかったようだ

「あ、もうじき姉が帰ってくるよ」

 ウェアが言った通り、すぐに目の前にゼアとイーラが現れた

「ふぅ、疲れたわ。でもこれで他の建物にも人が溢れたわよ。これで賑やかで寂しくなくなるわね。でも気を付けないといけないのは、この世界の異次元生命体、分かりやすく魔物って言うけど、ここの魔物はかなり強いわ。犠牲者も出ないとも限らない」

「あらそれなら大丈夫よ。さっきウェアちゃんに魔物を見せてもらったけど、あれなら私より弱いわ。イーラちゃんや他の仲間も倒せるはずよ」

「なるほど、結構強いのね。じゃあ交代で狩りに出てもらいましょう。あの人数を食べさせるには相当の数取らないと。それから作物ね。そっちは一応結構前から着手してるから多分大丈夫」

 話し合い、計画を立て、これならば大丈夫だろうと目途が立った

 ひとまずはこの世界に身を隠し、いずれ来たる戦いに供えることとなった

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