守り人7
六女ザザビビ
褐色の肌に一番幼い見た目、ぷにっとしたほっぺに大きな丸い目
誰もが見れば抱き上げたくなるような可愛らしい幼女、それがザザビビという少女だった
彼女は見た目は幼いながらも姉妹たちの中では二番目にしっかりしている
口調はまるで老人のようで博識、落ち着いた雰囲気は見た目にそぐわないが、そこがまた可愛いと姉妹たちの中でももっぱらの評判だ
生体武器は奪槌ZZBBと言い、穿った者の力を奪い、槌にその力を宿すことができる
さらにその奪った力はその全てが槌の能力となり、現在数千にも及ぶ力が彼女の生体武器には宿っていた
そんな彼女は今白いローブの男と対峙している
ウルの幹部だろうその男は槍をザザビビに向けてニタニタ笑う
「ガキが、俺の楽しみを奪った罰、しっかりとその身に受けてもらうぜ。この槍は刺した奴の骨を変形させて内部から破壊する。お前もこれで苦しませて殺してやる」
男の周りには骨を変形させられて内部から突き出たことにより苦しんでいる人々
中には子供までいる
それを見てザザビビは静かな怒りに打ち震えていた
自分の槌を地面にドガンと穿つと周囲で苦しんでいた人々の骨が瞬く間に元に戻り、次々と治癒していった
それを見て男は怒り地団太を踏む
「お前、お前ええ!! 何でこんなことするんだ! 俺の楽しみを奪うなんて! お前悪いやつだな! まあいい、お前がどんな悲鳴を聞かせてくれるか楽しみだ」
男の槍がゴツゴツとした骨のようになり、まるで生きているかのようにグネグネと動き出した
その骨が肋骨のように変化してザザビビに襲い掛かる
少しでもかすればザザビビの骨も変形し、先ほどまで苦しんでいた人々と同じようになるだろう
しかしザザビビは冷静にその骨に対処して軽々と避ける
その隙間を縫うようにして槌を撃ち込んだ
ゴキョッという骨が砕ける音がするのと同時に男の骨がグネグネと変形して体から突き出した
主要器官は一切傷つけないよう変形させた上に、身動きが取れないようがんじがらめにする
その激痛たるや、計り知れないものがあるだろう
男はあまりの痛みに泣き叫び許しを請うが、ザザビビは冷たい目で男を見つめる
「今までしたことを悔い改め、次の人生に生かすのじゃな。お主はわしの怒りに触れた」
幼女の見た目ながら子供が好きなザザビビは子供を傷つけたこの男を決して許さない
再び男の体に槌をコンと当てる
男の骨はさらに痛むように変形し、叫び声が辺り一帯に響く
「や、やべでぇええ!いだいいだいいだい!! もう、ゆるじでぐでぇえ」
「しらん、そのまま苦しんで死ね」
ザザビビは男を蹴って転がすと他にもいるウルを目指し、槌を地面に穿った
そのままポーンと槌に乗ると空中を飛び、まるで昔話の魔女のように槌にまたがって移動していった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます