異女神2
この力を持ってウルの本拠地を探すことに専念することにしたルニア
今まで借りていただけの異放の力は完全に自分の力となっている
それによって探知能力も格段に上がった
さらには創り出す力が世界すら創造できる力へと昇華されているようだ
「ウルの本拠地、この力でもあいまいね。どうやって隠してんのかしら? もしかしてウルのリーダーも異放? いえそんなにたくさんいるはずが・・・」
現在ルニアが知っている異放の力を持つ者は、ツキ、その姉であり全ての世界を創り出したイレギュラーメルカの母親であるリルカ、そのイレギュラーメルカ本人、そしてツキとリルカの両親である種をまく者たち
そう、この家族だけだ
異放の力はそれだけ異質で圧倒的
それにもかかわらずウルの本拠地を探知できないということは、同じ異放の力が使われているとみて間違いないだろう
今まで出会った異放者ではないことはまず間違いない
種をまく者は再び世界の種をまくためどこかへと行き、ツキとリルカは消滅、後継者のメルカは自分の友人であるためウルに手を貸すことはないと分かり切っている
「もしかしてメルカが操られてる? そんなはずないか。それこそ異放の力でも使わない限りあの子を操るなんて不可能だもの」
メルカはすでに覚醒した異放の力を持っている
同じ力かそれ以上の力でなければ倒せないし、洗脳など無理な話だ
その点ではルニアは安心している
何せメルカに勝てる存在など現在この世にいないのだから
「考えても仕方ないからウルの気配が強い世界に行くわ。準備はできてる?」
「もちろんです我が女神」
「はい!」
全員どうやら大丈夫のようだ
ルニアの今一番の心配事は姉のサニアと姪っ子のリディエラのこと
サニアは数多の権能を使えるし、リディエラも女神としてはかなり強い部類に入るが、ウルの大幹部と戦うとなると難しいだろう
神々よりも強い鬼神が二人もついているとはいえ心配だった
転移が開始される
しかしどういうわけかくぐった瞬間に転移の扉が砕け散った
普段なら自分で消さないと消えることはない扉
それが砕け散ったのだ
全員いるか確認すると、ソラとラナがいない
先ほどの世界に残されたのかもしれないともう一度転移門を開いてみたが、何かに阻害されているかのように門が崩れる
「何なのよこれ! これじゃあ二人を助けに行けないじゃない!」
子供二人が知らない世界に取り残されていると考えただけで気が気ではない
だがそんなことをじっくり考える暇もなかった
なにせウルの一団にすでに囲まれていたのだから
「あれがウルに仇成す神と天使どもか。他にもいるらしいがまずはお前らだ」
ここにおびき寄せられた
一人の男の言葉ですぐにそう理解できる
「ふん、あんたら程度いくら集まったところで私の敵じゃないわ」
異放の力を使おうとするが、何人かのウルがとびかかって来たことで気がそれた
しかし冷静に対処し、とびかかって来たウルは気を失い倒れ込む
その隙を突かれた
漆黒のローブを纏った女性がルニアの両肩をガッと掴む
「この! 放しなさい!」
異放の力を最大に使って引きはがそうとするが、相手は同じ異放の力で抑え込んでくる
「そんなまさか、異放者がやっぱりウルにも・・・」
抜け出そうと暴れたことで手がフードにあたり、その顔があらわになった
「え?」
ルニアはその顔を見て目が裂けんばかりに驚いた
よく知る顔
ルニアは彼女の顔を見て絶望に包まれた
それはウルにとって最高の素体とされるのに十分な隙ができた瞬間だった
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