大勇者と救世者5
レイドを優しく寝かせ、次に狙いを定める誰か
顔は仮面をつけていて性別もわからない
その仮面は目も鼻も口もないのっぺらぼうのような真っ白な陶器の面で、その表情はうかがい知れない
仮面は次に襲われそうになっている利善の元へと走った
その走りはどことなく気品があり、貴族か王族のようだ
「クフフフ、あの男まったくこっちに気づいてないね。クフ、後ろからゆっくり首を切ってやるか」
幹部の少年デリオ
彼は屈折の能力を持っていて、それで利善の結界を屈折させてやすやすと結界を通った
さらに光の屈折を利用しての特殊迷彩によって姿も隠せる
利善に気づかれないように近づくデリオ
背後から殺そうとほくそえんでいる
「死ね!」
ナイフで利善の喉を斬り裂こうとしたところ、その腕を掴まれた
「「な!?」」
利善とデリオは同時に驚く
利善はデリオに殺されかけていたことに気づいて、デリオは自分の殺しを止められたことに
「何だお前は!」
利善が自分の前に空間を展開して警戒する
だが相手も自分の腕を掴んでいる仮面に驚き何もできないでいた
仮面はデリオの腕を折り、そのまま地面にたたきつけた
バチョンという内臓が潰れるような音が響いてデリオは絶命、利善は突如起きたことに理解が追い付かづあっけに取られているようだ
そんな利善の肩をポンポンと叩き、無事なのを確認した仮面はこくこくと満足そうにうなづいて忍びのように消えた
次に目指したのはクルルの待つ場所
子供そのものとなってしまったクルルでは戦いに参加させるわけにいかず、レジスタンスの家族が待つ施設に行くよう指示されていた
利善がよく言い聞かせたからか素直に歩いて向かっていたのだが、そこをアッシュという幹部の女に見つかった
子供をいたぶって殺すのが大好きなアッシュはクルルをどう拷問しようか舌なめずりをしながら見つめている
そんな彼女を背後から首の骨を一瞬で追って殺害する仮面
のんきに道を歩くクルルがなんの心配もなく施設に迎えるよう見守り、施設に入ったのを見届けてから仮面はまたもうんうんとうなづいてその場を去った
レジスタンスのアジトを襲っていたウルは幹部が倒されたことで続々と逃げて行く
中には無理矢理従わされていた者もいたため、解放されたことで喜んでいる者もいた
そんな彼らの様子を遠目から眺める仮面
その仮面をゆっくりと採ると、真っ白な肌の少女の顔が出て来る
彼女は満足げな笑みを浮かべてスッとまたシノビのように消えた
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