守り人5

 四女メメナナは優雅にティータイムとしゃれこんでいた

「ふむ、あらかた片付いたであるな」

 メメナナの拳の形に空間がえぐれている

 実拳MMNNは撃ち込んだ場所にダメージを固定し、触れたとき空間ごと破壊される

 空間はしばらくすれば元に戻るが、ヒトがこれに触れればその部分が消し飛んでしまうだろう

 現在メメナナが紅茶を嗜んでいる机と椅子の横には巨大な魔物が血まみれで横たわっていた

 虎のような顔を持った猪のような魔物

 この周囲を荒らしまわり、ヒトを喰う化け物だった

 そんな死体とメメナナのさらに横では、戦国時代の日本で着られていたような着物を着た村人や侍たちが平伏しきっている

 メメナナのあまりの力に神と勘違いしたようだ

「ふぅ、それで? なんであるか?」

「はい、生き神様として我が城に来て欲しいのです」

 そう言ったのはどうやら殿様らしき男

 村人たちが困っているのを見かねて自ら兵を率いて討伐に来たのだが、そこですでに魔物を一方的に攻撃しているメメナナと出会ったというわけだ

「吾輩は神などではないのである。何を勘違いしておるのかは知らないが、吾輩に行く義理は無いということであるな。話は終わりである」

 メメナナはどこへかに机、いす、ティーカップにティーポットをしまうと拳を空間に叩きつけ、そこに割れ目を作って消えた

「はぁ、主様のいない世界に用はないのに・・・。吾輩も甘いな、いや主様はきっとこれを望むはずである」

 主の理想になろうと頑張るメメナナ

 主は人々を救うことを望む優しい性格をしている

 七姉妹もそうであろうと努める

だがヒトに感謝されるのは慣れていないのか、今回のように恥ずかしくて逃げてしまうこともある

 あの横柄な態度は彼女なりの照れ隠しだった

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