神と白黒鬼神26
竜の世界とも呼ばれるフラザニアさんの世界ドラグリュシュア
彼女がいるおかげですんなりドラグリュシュアへ来れた
一見平和そうに見えるこの世界だけど、竜たちが突然虐げられ始めた
本当なら竜はこの世界のヒト種よりもはるかに強いはず
それなのに掴まってるのはどうやら特殊な魔法によるものらしい
その魔法の影響を受けると竜たちは途端に力を失って、宙を飛ぶ竜は地に落ち、海を行く竜は泳げなくなり、地を這う竜はその場から動けなくなってしまうそうだ
フラザニアさんはすんでのところでその魔法を避けることはできたけど、仲間や友竜たちは皆掴まってしまったらしい
捕まった竜たちどうなっているかは分からないようで、彼女は心配で胸が張り裂けそうな気持ちだろう
「まずはマーメイド族の国に行ってみます。女神様、私の姿を竜に見えないようにはできないでしょうか?」
「できますよ、任せてください」
サニアさんが変化の権能を使ってフラザニアさんを完璧なマーメイドに変える
うん、どこからどう見てもマーメイドにしか見えないや
「ありがとうございます女神様、まずは彼らの真意を調べないことには駄目だと思うのです。私は、彼らと争いたくはないのです」
そりゃそうだ
今までマーメイド族とは仲良く暮らしてたらしいし、突然攻撃されても優しい彼女なら復讐したいとは考えず、現状を元に戻したいって考えるはずだ
でも、もしも彼らが彼女を傷つけようとするなら、その時は
マーメイド族の国は目と鼻の先だった
まあ元々フラザニアさんに付着したこの世界の気配を辿って来たんだから、自分の住んでいた場所に近いところに転移するのは当然かな
一見すると特に何の争いもないように見える
フラザニアさんが言うには、元は海竜がもっと周辺に泳いでいたそうだ
でも今は全く見当たらない
恐らく全員つかまっちゃったんだと思う
「ああ、私の友人は無事でしょうか? 心配でたまりません」
「うん、早く調べよう」
まずは聞き込みかな
この世界での精霊の立ち位置は見えないというのが一般的で、僕も見えないよう姿を消した
サニアさんは魔族に見えるし、ハクラちゃんもクロハさんも鬼人に見える
魔法を使えば水中呼吸もできるので、観光で鬼人がいることもあるそうだ
そうそう、鬼人はどうやら竜捕獲に関わってないみたいなんだ
鬼人たちは鎖国のような状態で他国と国交を持たない
たまに変わり者の鬼人が旅行している程度なんだとか
珍しいけどいなくはない風変わりな鬼人ってことで二人にはふるまってもらおう
「あの、ちょっとお聞きしたいのですが」
魔族に見えちゃうからサニアさんにも一応鬼人になってもらった
魔族も率先して竜を狩ってる種族だからね
事情を知らないって言うのはおかしいもん
「何でしょう・・・? 鬼人ですか? 他者と関わらないあなた達がなぜこのような深海に?」
「私達は他国を見て歩きたくて旅をしているのですが、各国で竜を狩っているというのは本当でしょうか?」
「あなた達知らないのですか?」
「ええ、何分鎖国気質の国なもので」
「いいですか? 竜は悪しき力を持って世界を滅ぼそうとしています。そのため全て狩って殺処分するのですよ。ああ怖いです。ですがもうすぐ全ての竜が狩りつくされることでしょう。これも異世界から来たというレイノルド様のおかげです」
そのマーメイドが言うには、レイノルド卿という紳士が突如異世界から現れた
それと時を同じくして世界各地で竜が暴れたそうだ
なんでもレイノルド卿はその竜たちを止めるために来たそうで、対処法として件の対竜魔法を教えて回ったんだとか
うんきな臭い、臭う、臭うぞ
レイノルドとかいう男、絶対黒だ
情報をくれた彼女にお礼を言い、そのレイノルドとかいう男がいる国に行くことにした
目指すはエルフの国だ
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