妖怪族の国10

 よーし、船のパワーアップのためにここからもバンバン正解していくぞ!って僕は一問も答えてないんだけどね

“第十一問、世界樹の頂上にある幻のレアアイテムを答えよ”

「これは世界樹の花ですね。手にした者に絶大な力を授けるとされていますが、その花を手に入れるのは非常に難しく、また花が咲くのも数百年に一度、数時間だけというシビアな条件でして、なかなか見れるものではないですね」

 アスラムがまたスラスラと答えた

 世界樹の花か。一度は見てみたいな

“正解、ボーナスにより船の足場が広がります”

“第十二問、ラッキーフラワーと呼ばれるフクライソウの群生地を三つ答えよ”

「神仙の滝、ジョージマルケン植物学士の屋敷跡地、精霊の花畑です」

 あ、そう言えばうちの近くの花畑に生えてた。一個は答えられてかも

 でもやっぱりこういう問題はアスラムが詳しいね

“正解、ボーナスにより耐久力が少し上がります”

“第十三問、かつて神より与えられた歴代勇者が扱ったと言われ、現在行方不明の神剣の名を答えよ”

「それはアンデクリフですね。約四百年前の魔王との大戦で散った勇者と共に行方不明になった神剣です」

 さすがエンシュ、武器については右に出る者がいないほどのマニアだ

“正解、ボーナスにより一度だけなら落ちても復活できるようになります”

“第十四問、魔獣イクロフトゲレオンの角、キマイラの爪、妖獣雷獣の雷毛などを材料にした魔法薬の効能を答えよ”

 む、難しすぎるんだけど・・・。こりゃ僕も勉強しなきゃだめだね

「視力の完全回復です。失明していても回復する優れものですね。効果はありますが材料自体がかなり高級でなかなか手に入りません」

 テュネが先生のように説明しながら答えた

“正解、ボーナスによりオート回避が付与されます”

“第十五問、怪鳥ヴァクヴァの住処を答えよ”

「はい~、カロイ黄金山です~」

 フーレンナイス、そっか怪鳥。鳥か! フーレンの得意分野だったのね

 それにしても

「黄金山?」

「はい、カロイ黄金山は竜人族の国の近くにあり、黄金が多く取れるのです」

「でも怪鳥が出るってことは危ないんじゃ」

「いえ、ヴァクヴァは非常におとなしい怪鳥ですので繁殖期に巣に近づかなければ攻撃されたりしません」

 なるほど、一度見てみたいね、その怪鳥

“正解、ボーナスにより振動が軽減されます”

“第十六問、超位魔法の一つであるラストエデンを使った時の効果を答えよ”

 これならわかる! 僕の使える魔法だ!

「えっと、半径3キロ範囲内での重体、重軽傷者にかかわらず死者以外の全てを完全回復させる魔法、かな?」

 とうとう答えれた!

“正解、ボーナスにより耐久力が上がります”

“第十七問、雪の精の名前を答えよ”

 あ、これも!

「セツ!」

 ははは、精霊たる僕に精霊の問題を出すとは、残念だったね

“正解、ボーナスによりリーダーに鉄壁の守りが付与されます”

“第十八問、星降りカレーを出すカラフルという店はどこにある?”

 なにそれ! 行きたい!

「エーっと確か母様が行ったことあるんだった。えっとえっと、確か旅行で行った・・・。あ! 星詠み族のいる星詠みの国!」

 星詠み族、星海の詠み手とも言われていて、星の流れから占いをする一族で、占いをしてもらうためにいつも多くの客がいるんだとか

 しかもこの詠み手たちでたらめに強いらしい。たった一人で悪竜を退治した人もいるんだとか

“正解、ボーナスによりスピードがアップします”

“第十九問、年一度一日だけ見られる虹色羽のハトリはどの神の神鳥か答えよ”

 なんだよもう、僕の観光意欲を刺激するものばかりじゃないか

「虹の女神イリスですね~。私のお慕いする女神様ですよ~」

 フーレンが夢見がちな少女のようだ

 それだけ慕ってるのか

“正解、ボーナスにより仲間にもシールドが付与されます”

“第二十問、精霊の国に喜ばしいことが起こりました。一年ほど前、精霊女王様に初めての子が誕生しました。その子の名を答えよ”

 おお、これは!サービス問題?

「僕だよね? 答えていいんだよね?」

「はい、お願いします」

「リディエラ! 僕だよ!」

“正解です! ようこそおいでくださいました、リディエラ様!”

 モニターが煙と共に人型になった

「ふぅ、疲れた。あ、どもー、モニターに変化してたサカキちゃんでーっす」

 どうやらモニターは変化の妖術を使う天狗族のお姉さんだったらしい

「それじゃぁ続きも楽しんでってくださいねー!」

 サカキさんは翼で飛びながら手を振る

 激流に乗って再び船は発射した

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る