神々の日常1

 ここは神々が住まう世界

 そこには一人の男神が立ち、妹弟神たちの話を聞いていた

「それでですね兄様、双子の報告によると闇人を預かるそうなのです」

「そうですか、闇人を・・・。まぁあの二人ならば大丈夫だと思いますが、定期的に監視をしておきなさい」

「はい」

 監視の女神キュカは頭を下げて去っていく

「それで、あなたは何をしているのですか?」

「いやぁ用って程じゃないんだけどよ、兄貴、俺、メロとフィフィのとこに遊びに行きたいんだけど、ダメかな?」

「はあ・・・。少しならいいですよ。でも、闇人にはなるべく接触しないようにお願いしますよ」

「分かってるって! じゃ、行って来るな、兄貴!」

 元気に手を振る剛腕の女神ミナキ

「はあ、あの子も落ち着きがありませんね」

「あの、叔父さ、いえ、ラシュア様」

「叔父さんでいいですよ」

「あ、ありがとうございます。おじさん、僕も行っていいでしょうか? 久しぶりにパリケルさんに会いたいんです」

「それはいいですね。ではミナキと一緒に行くといいでしょう。あと、あの子が変なことをしようとしたら止めてください」

「は、はい!」

 新人の光の女神イナミリアは嬉しそうにミナキの後を追って走っていった

 ラシュアはにこやかにそれを見守り、うなずく

「兄上、少しいいか?」

「何ですか? シンガ」

「サニアとルニアに稽古をつけたいのだが少し広場を借りていいか?」

「そうですね、でもあまり無理をさせてはいけませんよ? あの子たちはまだ幼いのですから」

「分かってるよ。じゃ、ちょっと借りるとするか」

 それからも様々な神々が訪れてラシュアに助言を乞うたり許可を得たりとラシュアは忙しかった

「平和だね」

「ええ、それでいいのよ。世界は」

「娘に会わなくていいのかい?」

「・・・。私はもう世界に必要ないもの。あの子のことはあなたに任せるわ。本音を言うと、少し会いたいけど、混乱させちゃうから」

「そう、か。ルーチェ、君が言うなら、私も何も言うまい」

「ありがとうラシュア」

 世界を守るため、自らを犠牲にして消えた元光の女神ルーチェ。その残滓はそう言うと、スーッと消えた

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