学園生活26
隕石のような魔法を喰らったオーガはそれが一度あたるだけで蒸発するように死んでいく
まさかミナモちゃんがここまで強力な魔法を使うなんて夢にも思わなかったよ
それに見てみたところ魔力が攻撃するごとにグングン減って行ってる
ミナモちゃんはその魔法の止め方が分からないのか顔が焦り始めてる
「落ち着いてミニャモちゃん! ゆっくり魔法を解除するにゃ!」
「で、でもどうやって止めればいいのかわかんないよぉ!」
既にオーガは殲滅されているけど、いつまでも魔法が撃たれるために洞窟前にクレーターができていた
私は素早くミナモちゃんに飛びつくとミナモちゃんの頬をペロペロ舐めた
それで落ち着いたのか、ミナモちゃんは魔法を何とか止めることができたみたい
「ハァ、ハァ、うっ」
魔力が残り僅かになったミナモちゃんはフラフラと倒れ込む
すぐにお母さんが魔力回復用のポーションを取り出して飲ませると、ミナモちゃんはパチリと目を開いた
「な、なんだったのあの魔法・・・。私、どうしちゃったの?」
ミナモちゃんが混乱するのも無理はない
あの魔法はハイヒューマンたる彼女たちにしか使えない魔法らしい
今まで誰も見たことがない魔法だもん。そりゃ怖いよね
お母さんも困惑してる
ひとまず人目もあるから二人を連れて街に戻ることにした
街に戻ってとりあえず宿で二人を落ち着かせる
話していいのかどうか分からないけど、こうなったらもう話すしかないんじゃないかな?
「あのね二人とも、ちょっと聞いて欲しいにゃ」
「どうしたのミーニャ、改まって」
「実は・・・」
私は二人が普通の人間族じゃないことを話した
人間族の進化した種族ハイヒューマン。仙人とも呼ばれる種族
魔法以外に仙力という力を使え、寿命もはるかに長い
「そう、なのね・・・。でもなぜ私の病を調べた治療師たちは何も言わなかったのかしら?」
「それは多分二人が初めての事例だったからだにゃ。つまり知らないから分かりっこにゃいって話だにゃ」
二人は絶句していたけど、どうにか受け入れてくれた
「そういえば私の祖父母、つまりミナモのひいおじいちゃんとひいおばあちゃんは未だに健在だわ。すでに百歳を越えているのに見た目も若々しいし」
お母さん、普通疑問に思うとこですよそこ
魔法や治癒魔法が発達しているこの世界では街に住んでいれば寿命は長いこともある
魔物と戦わなければ病気とか事故、寿命でしか死なないしね
でも、それでも人間の平均寿命は六十五歳くらい
つまり百歳なんてのは人間にしてはあまりにも長生きなんだ
つまりこれはミナモちゃんの家系に発現した進化という奇跡なのかもしれない
「少し、考えさせて」
お母さんはそう言うとミナモちゃんとベッドに座り込んだ
そりゃ無理もない
いきなりあなたたちは人間じゃありませんって言われたんだもの
それに完全なハイヒューマンはエルフと同じように一定から老けることが無いみたいだ
だからお母さんも二十代前半くらいのままの姿だったのね
「よし! 考えてても仕方ないわ。これはバステト様からの思し召しよ。私達はハイヒューマンとしてこれからを生きて行きましょう」
「私、お母さんやミーニャと一緒なら大丈夫」
うん、二人は強い。私はこれからも二人を見守っていくよ
でも問題は私の寿命だよね
私が平均的な猫なら寿命も十年そこらだと思う
でももし神獣ニャフテスの血統なら、ずっと二人と一緒にいられる
普通の猫でいたかったけど、今は神獣であることを強く望みたい
「さ、今日は疲れたでしょ。寝ましょう」
確かにヘトヘトだよ。オーガと戦ったんだもん
私は二人の間に挟まれるようにして眠りについた
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