第3章
ナグシャムの町中にて、アルドはあちこちを見回していた。
アルド「さて、いつも見て歩いている街だけど・・・こうして見ると、この剣術大会を楽しみにしてる人って多いんだな。」
男の子「あ、兄ちゃーん!!」
通りからどこかで聞いたことのある声が聞こえてくる。
アルド「ん、あの声は・・・?」
アルドが声の主を探す。
アルドの前に現れたのは、イザナで剣術大会の事を教えてくれた男の子だった。
男の子「ずっと会場で見てたよ!すごかったよ兄ちゃん!やっぱりオレが見込んだだけのことはあったね!」
アルド「ああ、大会の事を教えてくれてありがとうな!」
男の子「ううん、オレも楽しめてるから大丈夫だよ。」
アルドは笑う。
少しして、男の子は何かに気づいた。
男の子「そういえば、兄ちゃんはウシブタまんじゅう食べないの?」
アルド「ん?たしかに少し腹は減ってきたけど・・・」
男の子「なら食べていきなよ!あれを食べながら見物するのが、ナグシャムの伝統行事なんだ。」
アルド「そうだな・・・次の試合まで時間もあるし、ひとつ買っていくかな。」
男の子「うん!それじゃあオレはこれで。準決勝も期待してるからね兄ちゃん!」
男の子はアルドの前から去って行った。
辺りを再び見回すアルド。
アルド「・・・そういえば、シグレも食べるって言ってたっけ。結構オレも街の中を歩いてるけど、さっきから全然会わないな・・・どこ行ったんだろう?」
アルドは休憩所兼まんじゅう売り場でもある福楽苑に赴くが、やはりそれらしき人物はいなかった。
アルド「あれ、てっきりここで食べてるのかと思ったんだけどな・・・」
リンリー「ミナサマ~、そろそろ準決勝の始まりアル!選手もそうでない人も、会場にお越しくださいアルー!」
リンリーの声でアルドのシグレ捜索はおしまいになった。
アルド「お、もうそんな時間か!オレも早く行かないとな。」
ひとまず店を後にするアルド。
再び、剣術大会会場の待合広場にアルドはやってきた。
だがシグレは一向に姿を見せなかった。
アルド「あれ、シグレの奴・・・本当にどこ行ったんだ?いくら時間にルーズなシグレでもさすがに遅いな・・・。」
シグレとの対決を待つアルドの前に現れたのはシオンだった。
予想外の人物が現れたことにアルドは驚く。
アルド「シオン?どうしてここに?」
アルドに対してシオンは浮かない顔をしていた。
シオン「実はだなアルド・・・」
リンリー「ああーとここで緊急事態アル!アルド選手の対戦者、シグレ選手がこの世の終わりかと思うような腹痛を理由に棄権とのことアル!というわけでアルドは不戦勝アルよ!!」
わーーという歓声の音が聞こえるがアルドは呆然とする。
アルド「ふ、不戦勝・・・?!」
シオン「・・・ということなのだアルド。」
シオンがうつむいていた理由をアルドは察するが、それよりも心配なのはシグレだった。
アルド「シグレは大丈夫なのかシオン?!」
シオン「ああ、今のところはな・・・だが今も苦しんでおる。よければ一緒に福楽苑まで来てはくれまいか?そこで休んでいる。」
アルド「ああ、もちろんだ!」
会場隣の福楽苑。リンリーの叔母であるシャンシーが特別に用意してくれたベッドで、シグレが苦しんでいた。
アルドとシオンは駆け寄る。
アルド「シグレ、大丈夫なのか?!棄権だなんて・・・!」
横にはアカネも一緒に寝ていたが、アカネの場合はただぐっすり眠っているだけのようだった。
シグレ「うう・・・アルドか・・・俺としたことが、せっかくのおぬしとの勝負を棄権することになろうとは・・・うぐ・・・」
シグレにしては非常に珍しい弱気な発言に動揺するアルド。
アルド「しっかりしろシグレ!さっきまであんなに元気だったじゃないか!どうしてこんな事になったんだ?!」
アルドの問いに、シグレは苦しげに話し始めた。
シグレ「うむ・・・それがだな・・・さっきの休憩時間中に、名物ウシブタまんじゅうでも食おうかとあちこち散策していたのだが・・・その時にフードの男に出会ってな。」
アルド「フードの男・・・?」
シグレ「その男は、聞けば露天商だと言う。そしてウシブタまんじゅうを食わぬかと俺に言ってきた。」
アルド「フードで隠して露天商・・・ものすごく怪しいな・・・。」
シグレ「うむ、俺もはじめはそんな怪しい風貌の露天商の売り物など食わぬと言ったのだが・・・」
シグレは怪しい露天商にまんじゅうを売りつけられたときの事を思い出す。
今思えば、あんな町外れで売られたこと自体が怪しかった。
人気のない通りで、フードの男は言う。
露天商「食べないと、あんたは後悔すると思うがね。」
シグレ「む、たしかに腹は減っているが、ウシブタまんじゅうならよく食しておるぞ?おぬしの言うことがよくわからんな。」
露天商「わからないかね?・・・これは普通のウシブタまんじゅうとは違うのだぞ?」
ずいぶんしつこく売りつけてくる露天商に、シグレは強気に尋ねた。
シグレ「ほお、一体どこが違うというのだ?まさか俺を謀ろうなどという考えではあるまいな!」
露天商は肩をすくめてみせた。
露天商「いやいやまさかとんでもない!準決勝まで勝ち上がったあんただからこそ、是非食べて欲しいのだよ。」
シグレ「む、俺が活躍していたのをおぬしも見ていたのか?」
露天商「もちろんだとも!さすが普賢一刀流後継者だな!素人の私でも見とれるほどの剣さばきだったよ。」
シグレ「む、むう・・・そう言われると悪い気はせんな!」
さっきまで疑っていたのが嘘のように、シグレはその気になりだしていた。
露天商はそこに畳みかける。
露天商「次はいよいよ準決勝だろう?是非力をつけて頑張って欲しくてね。特別に用意したのだ。」
シグレ「うぐ・・・そこまで言われると気になってくるな。一体何が違うのか!」
露天商「そうだろうそうだろう!実はこのウシブタまんじゅうは何を隠そう・・・」
シグレ「ご、ごくり。」
散々焦らしたところで、ようやく露天商が口を開く。
露天商「なんと・・・今までにないピリ辛味の新商品なのだ!!」
シグレはまるで☆5でも当たったかのような衝撃を受けた。
シグレ「むぅ・・・?!ピリ辛味・・・?!」
露天商「あんたは・・・特に辛いものに目がないんじゃないか?」
シグレ「たしかに俺は辛党・・・!なぜおぬし知っておるのだ・・・!」
露天商「フフフ、もちろん知っているとも!あんたならこの味がわかると思ったんだがな・・・」
シグレ「む、むぅ・・・!!」
露天商「さあどうなんだ?いるのか?いらないのか?」
露天商はシグレに詰め寄ってくる。思わず後ずさりするシグレ。
シグレ「う、そ、それは・・・!」
再び場所は福楽苑の休憩室。
さっきまであんなに心配していたアルドが、今は冷ややかな眼差しでシグレを見つめていた。
アルド「・・・で、食べたのか?その怪しいまんじゅうを?」
気まずそうにシグレはうなずいた。
シグレ「う、うむ・・・それでこの有様よ・・・俺もおかしいとは思ったのだが、どうしてもピリ辛ウシブタまんじゅうとやらが食ってみたくてな・・・。」
アルド「怪しいヤツから買ったまんじゅうで腹痛・・・・・・同情しにくいなそれは・・・」
シオンがふう、とため息をつく。
シオン「まったく・・・見知らぬ人間の売り物など口にするからだ。」
シグレ「うう・・・返す言葉もない・・・。」
しょんぼりとするシグレ。
アルドはうーん、と考え込んだ。
アルド「だけどなんでそんなもの売りつけてきたんだろう?」
サイラス「決まっておるでござるよ、アルド」
アルド「ん?その声はサイラスか?」
いつの間にか、サイラスが部屋に入ってきていた。
サイラスは何か心当たりがあるようだった。
サイラス「そんなもの・・・もちろんこの剣術大会に仇なす者の仕業に決まっておる。」
アルド「なんだって?」
サイラスが神妙に語り始めた。
サイラス「実は先ほど、拙者もそのピリ辛ウシブタまんじゅうとやらを売りつけられたでござるよ。もちろんすぐに断ったが・・・まさかシグレ殿が食していたとは・・・。」
アルド「サイラスもだったなんて・・・たしかに出場者ばかり狙っている感じがするな。」
サイラス「うむ。一体何者かはわからんが、もしかすると何か剣士に恨みでもあるのかもしれんでござるな。」
サイラスの言葉にシオンは納得したようだった。
シオン「・・・恨み、か。たしかにこの大会に乗じて、良からぬ悪事を働く輩がいても不思議ではない。」
サイラス「ましてやシグレ殿はこの地でも名を馳せる普賢一刀流後継者・・・ここで消しておきたかったのでござろう。」
アルド「くっ、なんで卑怯なんだ!そんな奴がまだ他の人にも手を出していたら・・・!」
アルドはいても立ってもいられなくなっていた。
そんなアルドとサイラスに、シグレが声をかける。
シグレ「アルド、俺が言うのもなんだが、どうか、俺の敵を取ってくれ・・・!」
アルド「シグレ・・・!」
シグレ「そして、どうか俺の無念をおぬしが・・・!!がく。」
そう言ったきり、シグレがばたっと布団へ倒れ込んだ。
アルド「シグレー!!!」
シオンがすぐに傍らに立って様子を確認すると、首を振った。
シオン「まったく・・・どうやら私が作った解毒剤が効いて、眠っているだけのようだ。心配は無用。」
アルド「はあ・・・まったくさっきから心配ばっかりさせるなあ。」
シオン「・・・アルド、シグレは私が見ておく。お前達はその露天商とやらを頼む。」
アルド「ああ、もちろんだ!必ず探し出す!行こう、サイラス!」
サイラス「おう!でござるよ。」
アルドとサイラスは福楽苑を後にする。
シオンはそんな二人の後ろ姿を見守っていた。
福楽苑を出た二人は、ナグシャムの入り口付近を捜し回っていた。
アルド「くそ、どこに行ったんだ・・・。」
サイラス「うーむ、おそらくまだそんな遠くへは行ってないと思うでござるが・・・」
リンリー「あ、アルド!サイラス!こんなところでどうしたアルか?」
二人に声をかけてきたのはリンリーだった。
アルド「リンリーじゃないか!司会の仕事は大丈夫なのか?」
リンリー「棄権した選手もいるし、今はまだ混乱中アルよ!それよりも、この世の終わりかと思うような腹痛のシグレは大丈夫アルか?」
アルド「ああ、ウシブタまんじゅうでおなかを壊したみたいだ。今は眠ってるよ。」
リンリーはほっとしたようにうなずいた。
リンリー「よかたアル。せかくの剣術大会で死者が出たら大変ネ。」
そんな二人に対し、サイラスが何か考えながらリンリーに声をかけた。
サイラス「そういえばリンリー殿のご実家はウシブタまんじゅうの店でござるな。そもそもウシブタまんじゅうとは、道端で売ったりするものなのでござるか?」
サイラスの話にリンリーはふむ、と考え込んだ。
リンリー「うーん、あんまり聞いたことないアル。そんな人がいたアルか?」
アルド「なんでも町外れでフードの露天商が、ピリ辛味のウシブタまんじゅうを売ってたみたいなんだけど・・・」
二人の話を聞いてうーん、とリンリーが首をかしげた。
リンリー「ピリ辛味・・・?それは胡散臭いネ。ウシブタまんじゅうはあの味こそが黄金レシピアル。他の味なんて聞いたことないアルよ!」
リンリーの話を聞いて、アルドとサイラスは顔を見合わせた。
サイラス「やはりその露天商とやら、匂うでござるな・・・。」
アルド「ああ。リンリーはこの辺で怪しい奴を見なかったか?」
リンリー「うーん、今のナグシャムは違うトコからも人いぱい来てるアルからな・・・。」
サイラス「やはりそう簡単には見つからんか・・・。」
3人で途方に暮れていると、向こう側から元気のいい声が聞こえてくる。
男の子「今の話・・・聞かせてもらったよ!」
そこにいたのはアルド達を剣術大会に誘った男の子だった。
アルド「あ、お前はイザナの子供?!」
サイラス「まさか、何か心当たりがあるでござるか?」
男の子「うん、兄ちゃん達の話を聞いて確信したよ。さっき見かけたフードの奴、大慌てで紅葉街道の方に走ってったんだ。あんな奴はこの辺で見たことないし、何よりフードで顔隠してこそこそしてるなんて、どう見ても怪しかったんだよ!」
男の子の話を聞いて、三人は確信した。
サイラス「アルド、おそらくそやつが・・・。」
アルド「ああ、お手柄だよ!何から何までありがとうな!」
男の子「ううん、兄ちゃんにはなんとしてでも優勝して欲しいからね!」
サイラス「恩に着るでござる!」
リンリー「ありがとネー!今度ワタシの猫まんじゅうごちそうするアル!」
有力な情報を聞きつけた3人は紅葉街道の奥へと向かう。
紅葉街道をしばらく走ると、行き止まりに怪しいフードの人物が立っているのが見えた。
リンリー「あいつ見るからに怪しいアル!」
アルド「ああ、やっと追いついたぞ!!」
フードの男を取り囲むアルド達。
3人の剣幕にフードの男はややたじろいだ。
露天商「おや、あなた方はたしか剣術大会に出場していた・・・」
アルド「ああ!お前が売ったウシブタまんじゅうのせいで棄権したシグレの仲間だ!」
露天商「はて、私には何のことやら・・・」
しらばっくれる露天商にアルドは拳をぐ、と握りしめる。
アルド「とぼけるな!よくもオレの仲間を!!」
サイラス「全く往生際が悪い!武士の風上にも置けぬでござる!一体おぬしの目的はなんでござるか?!」
リンリー「そうヨー、みんなが楽しんでるお祭りの邪魔しちゃ駄目ネ!悪いヤツは成敗するアル!」
フードの男はうつむいた。
露天商「フフフ・・・まあ追いつかれてしまっては仕方ないか。」
観念したのか、バサァとフードを脱ぐ男。
――――――なんとその正体はオーガバロンだった。
アルド「・・・またお前か、バロン?!」
サイラス「まったく、毎度毎度忘れた頃に急に現れるでござるな!」
リンリー「アイヤー、この人誰アル?!でも見るからに悪党ぽいネ!」
オーガバロン「フン!いちいち癪に障るカエルとカンフー娘だな。」
アルド「バロン!お前の目的はなんだ?!」
くくく、とバロンが喉の奥で笑う。
オーガバロン「そんなの決まっているだろう?数十年に1度しか開かれないとかいう、世界の精鋭が集まる楽しそうな大会にワタシも混ぜて欲しかっただけさ。それの何が悪いと言うのかね?」
アルド「だったらなんで露天商なんかに化けてたんだ?!」
バロンはやれやれといった風に肩をすくめた。
オーガバロン「全く、少しは感謝してほしいものだがねアルド。オマエが決勝に進めたのは、ワタシが作ったオーガ族秘伝の毒をほんの少し混ぜたまんじゅうのおかげだろう?ライバルが減ってよかったじゃないか。」
アルド「何を馬鹿なことを!そんな事までして勝ちたいと思うわけないだろ!」
オーガバロン「クックック!相変わらず馬鹿正直な事だ。本当の目的はもちろん・・・」
バロンが武器を構える。
オーガバロン「アルド!オマエ達の戦力を削ぐチャンスだと思ったのだよ!」
バロンの部下のオーガ達がアルド達の前に現れる。
サイラス「ひとまずここは、この者達を倒すでござるよ二人とも!」
リンリー「もちろんアル!こんな悪党をナグシャムでこれ以上のさばらせられないネ!」
アルド「ああ、行こう二人とも!」
バロンの手下である3体のオーガが現れる。
戦いの末になんとかバロンの手下を倒すアルド達。
オーガバロンは舌打ちした。
オーガバロン「フン!相変わらずこしゃくな奴め。」
アルド「さあお前の悪事もこれで終わりだ!観念しろ!」
オーガバロン「フフ、そんな簡単にワタシが捕まると思うかね?まあ失敗こそしたが、それなりに楽しませてもらったよ。礼を言わせてもらおうか。」
サイラス「全くどこまで減らず口を叩くでござるか?!」
オーガバロン「フン、しゃべるカエルなんぞに言われたくないがね。・・・覚えているといい。ワタシはいつもオマエ達を狙ってるのだとな。」
バロンはすぅっと紅葉街道の彼方へと姿を消した。
慌ててアルドが追いかけるが、もうその姿はどこにもなかった。
アルド「くそ、バロンのヤツ!!」
サイラス「ふぅ・・・またいつものように消えてしまったでござる。」
リンリー「アイヤー、逃げ足の速いヤツアル!」
アルドは首を振った。
アルド「逃したのは悔しいけど・・・でも今は、試合に戻らないといけないな。シグレも心配だし。」
リンリー「たしかにそうネ、今はあんなガリガリ伯爵よりも決勝戦アル!」
リンリーがナグシャムに向かっていく。
その後を追いながらサイラスがぽつりとつぶやいた。
サイラス「・・・アルド。」
アルド「ん?どうしたんだサイラス?」
サイラス「ここだけの話でござるが・・・バロンは何故あんな真似をしたのでござろうな。」
アルド「ん?それはオレ達の邪魔をするため・・・だろ?」
サイラス「たしかにそうではござるが・・・考えてみれば、そのオーガ族秘伝の毒とやらをもっと盛って、拙者らを始末することもできたのでは?」
アルド「・・・・・・」
サイラス「ひとりひとりに配るというのも、どうも効率が悪いというか・・・そもそもマントの露天商など怪しすぎて、シグレ殿くらいしか引っかからん気が・・・。」
アルド「・・・・・・・・・そういえば、前にもこんなことあった気がするな。」
サイラス「うむ。」
アルド「なんか・・・こう言っちゃなんだけど、バロンってさ・・・。」
サイラス「皆まで言うな、アルド。・・・今は先を急ぐでござるよ。」
アルド「そ、そうだな・・・。」
再びナグシャムの闘技場を目指しながら、アルドは再び歩みを止めた。
アルド「・・・もしかしたら、オレ達の命まで取るつもりはなかったのかもな。」
サイラス「む、あやつにそのような情などあるのでござろうか?拙者どうもいめーじがつかんでござるよ。」
アルド「ははは、オレもだけど。でもなんか憎めない所もある気がするんだよな!」
サイラス「むぅ、わかるようなわからんような・・・でござる。」
リンリー「二人とも何してるアルー!急ぐアルよー!!」
アルドとサイラスは顔を見合わせて笑う。
その後すぐにリンリーの後を走って追いかけていった。
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