第126話 10月28日 風邪ひいた
くちゅん。
「うん?」
朝着替えをしていると仕切りの向こうでそんな声?が聞こえてきた。
でもそれ以降は何も聞こえてこなかったので、、、。まあ珠弓が普通にくしゃみをしただけかと思っていた。
「おはよう。夜冷えてきたから寒かったか?」
「、、、。大丈夫」
俺が洗面所から出てくると入れ替わりでやって来た珠弓に聞いてみたが、、、。うん、見た感じも普通。最近は普通に返事をしてくれるのが多いので助かる。
それから朝ご飯の時とかも普通に食べていたし。まあ気にしすぎだな。と俺は思いつつ。
「じゃ珠弓。先に行くからな」
「、、、。うん。またお昼」
と、今日は俺の方が家を出るのが早かったので珠弓に見送られて、、、。家を出発した。
そしてちょっと眠い中1限目の講義を受け終えた時だった。
「、、、。うん?」
スマホにメッセージが来ていた。数分前に桃園さんからだった。何だろう?と思いつつメッセージを開いてみると、、、。
「柳先輩柳先輩。珠弓ちゃんがおかしいです」
と、そんなメッセージが来ていたので、、、。まあメッセージで返事をするより電話した方が早いので、、、。
♪♪~
、、、。
、、、。
「あっ。もしもし?桃園さん」
「あっ、よかったです。先輩講義終わってます?」
「今終わった。で珠弓がどうした?」
「さっき会ったんですが、、、。なんかぼーっとしてるんですよ」
「うん?」
「本人は大丈夫って感じなんですが、、、。なんか気になって」
「、、、。そういえば朝くしゃみしてたな、、、」
と。俺が今朝のことをつぶやくと、、、。電話口からは。
「ねえねえ珠弓ちゃんおでこ貸して、、、。あー、逃げた」
と向こうのやり取りが少し聞こえてきたが、、、。
「桃園さん」
「はい?」
「今どこに居るの?」
「大講義室のところですよ」
「なら近いから行くよ」
「助かります。珠弓ちゃん逃げちゃいますから」
と、言うことで電話を切って荷物を持って一度外へと出た。すると2人はすぐに見つかった。
パッと見、、、。珠弓は普通なんだが、、、。
なんかまだ珠弓が桃園さんから逃げているみたいだった。あれか。おでこを触られたくないのか。ってことは、、、。ちょっと本人も怪しいと思っているのか。とか俺は思いつつ。ちょうど珠弓がこちらに背中を向けていたので、、、。
「あっ、柳先輩」
と、こちらを見ていた桃園さんが手を振ると同時くらいに後ろから珠弓のおでこチェックをした。うん。いつもあっているからな。珠弓の高さというのは把握している。
「ひにゃ!!」
と。なんか変な猫の声が、、、。ってやった後に思ったが、、、。いきなり後ろからおでこ触ったら俺蹴とばされたりなんかされるんじゃないかと思ったが、、、。すでに触っているから、、、。避ける準備が必要かな?とか一瞬思ったのだが、、、。
「あっつ」
珠弓のおでこ触っての感想である。
「柳先輩、、、。大胆ですね」
と、前からニヤニヤした桃園さん。
「って、珠弓。熱あるだろ。めっちゃ熱いし。ってか顔赤っ」
「、、、」
「顔が赤いのは今なりましたよ?」
「へっ?」
と、桃園さんが教えてくれたが、、、。どういうこと?
「だって柳先輩。ここ大学ですよ?その講義室の前で後ろから抱きしめるようにおでこ触るとかなかなかです。さすがです。先輩」
「、、、。珠弓。悪い。なんか逃げてるみたいだったから、、、。つい」
「、、、」
顔真っ赤の珠弓は下を向いて、、、。かなり小さくなっていた。
「ってか今めっちゃ可愛い珠弓ちゃんの声聞けませんでした?ほらほら少し周りの人もこっち見てますから」
「桃園さんそれ珠弓がさらに小さくなる」
「あっ。そっか」
「、、、」
うん。珠弓が俺にもたれるようにさらに小さくなった。って珠弓よ。くっつく方が目立つかと、、、。
お人形さんから猫?みたいな声が聞けました。
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