第113話 10月11日 5 珠弓誕生会

「うーん!やっぱここのチキン最高ですね。この味この味」


そう言いながら桃園さんがチキンにかぶりついている。


「だな。久しぶりに食べたくなるというか。1年に1回くらいは無性に食べたくなる味なんだよなー」

「、、、」


俺の隣では珠弓が頷きながら、、、。綺麗に骨から身を取って食べている。ってめっちゃ綺麗に食べていた。うん。桃園さんと比べると、、、。なんか面白いな。全く食べ方が違うというか。でもどちらも美味しそうに食べている。というのは一緒か。


「ってか先輩」

「うん?」

「私1円も払ってなくてチキン食べたり飲み物飲んだり。先輩が作ってくれたサラダとか食べているんですがいいんですか?少しくらい払いますよ?」

「OKOK。わざわざ来てもらってるし。いつもいろいろ助けてもらってるし」

「そうですか?ならもう1つチキンもらいまーす」


と、桃園さんはさらにもう1つチキンに手を伸ばした。


いや結構多めに買ったんだが、、、。一応な。余ってもお隣が居るからという計算で。少ないよりはいいだろ?なんだが、、、。3人でまあまあ減ったという。びっくりだわ。


っかこの2人結構食うな。


珠弓なんてその小さな身体のどこに入っていっているんだか、、、。また前みたいに翌日太ったとか言うなよ?とか思いつつ。俺ももう1つチキンを手に取った。


と、そんな感じでバルコニーで楽しく。いい感じの雰囲気で珠弓誕生祭?が行われている。


ちょっと風もあるし。ホントいい感じだな。

すると珠弓がゴミを捨てに室内へと入っていくと同時に、、、。


俺の横に桃園さんがやってきて、、、


「あっ、そういえば先輩」

「うん?」

「プレゼントどうするんですか?」

「あー。普通に寝室に置いてある」

「あっ、ちゃんと先輩も準備したんですね」

「ってか。まあさっき一緒に取って来た」

「取って来た?」

「どっかに行く余裕が無くてな。ネットでポチ。だな」

「なるほど。じゃ、食べたら渡しましょうか?」

「だな」


と、俺と桃園さんの会話が終わって少しして、、、。珠弓が戻って来た。


まずはチキンなど料理を食べた俺たち。結局チキン、、、。5つしか余らなかったな。かなり多いくらいで買ったはずだったんだが、、、。

まああまりは箱に戻して、、、。


ついでにその他余ったものも詰めて、、、。


「よし。光一セット完成」


ということで一時室内で光一セットをお預かり。

そしてある程度片付けを終えてから、、、。


「はい!珠弓ちゃん!誕生日おめでとう!」

「、、、」


と、あれ?珠弓さんがフリーズした。


「うん?珠弓ちゃん?」

「、、、」

「先輩。先輩。柳先輩」

「うん?」

「珠弓ちゃんがフリーズしました」

「なんでだよ」


と、女の子同士で話していたところに俺もプレゼントを持って行ってみると、、、。


うん。珠弓が桃園さんから渡されたギフトラッピングされた箱を手に取り固まっていた。


「珠弓?」

「、、、」


俺が声をかけると、、、。


「あー、なるほど」


と、通訳者の方は理解したらしく、、、。ってなんだよ。気になるから通訳頼むよ。桃園さん。である。





お人形さんプレゼントもらったらフリーズしました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る