第108話 10月6日 光一逝く
「あー、珠弓ちゃんへのプレゼントが決まりません」
「珠弓なら何でも気に入ってくれると思うぞ?まあしいて言うなら、、、。かわいい小物?とか」
「あー、なるほど、、、。いや、でも1年に1回の珠弓ちゃん誕生祭ですからね」
「なんか祭りになってないか?」
「祭りですよ?」
「いつの間に、、、」
現在は昼休み。いつものように珠弓と桃園さんが俺のところに来てご飯を食べていた。現在珠弓は席を外しているというか、、、。まあトイレかなんかだろう。ささっと消えていったので、、、。
で、桃園さんは珠弓が居ない為。誕生日についての話を始めたというところ。
「って、私も行っていいんですか?」
「珠弓の希望だからな。来てほしいって」
「本当は珠弓ちゃん。柳先輩と2人でー。がいいんじゃないですか?」
「いやいやそれだといつも通りだし。普段2人だけだから」
「いつも通りが一番いいのかもしれませんよ?」
「でも、誕生日だし、、、。ってもしかしたら、、、」
「もしかしたら?」
「光一が来ないように桃園さんを配置、、、。とか俺は勝手に思っていたんだが、、、」
「えっ?黄金先輩は珠弓ちゃんの誕生日知って、、、。ますよねー。知らないはずがないですよね。はい。無駄な事考えました」
「そういう事」
「ちなみに興味で聞きますが。今まで何か黄金先輩からプレゼントは、、、」
「持って来てたな、、、。実家でのやりとりを見ている限り、、、。珠弓が高速で逃げていた。うん」
「うわー、どんなプレゼントだったんですか?」
「確かな、、、。去年は、、、。お菓子?」
「あれ?普通ですね。ちょっと予想外」
桃園さんはもっとすごいものを予想していたのか。拍子抜けしたような顔になったが、、、。うん。内容は、、、。
「いや、、、。一粒、、、。万円?するやつとか言っていたような、、、」
「う、うわー、、、。で、珠弓ちゃんは?」
「泣く泣くというか、まあ無理矢理光一に渡されて、、、。珠弓はそのまま自分の父親に食べさせていたな」
「おお」
「ちなみにその前。いつだったかは忘れたが。指輪とか、、、。なんかまあ素晴らしく。高価なものを、、、。ってのもあったから、、、。まあ去年はマシな方だったのかもしれないな」
「、、、。指輪とかプロポーズですかね?」
「だろうな。いやだったんだろうな。受け取ってなかったように思うが、、、」
「で、今年も黄金先輩が乗り込んでくる可能性があるかもしれないから、、、」
「まあ今年は実家じゃないしな。おまけに隣だし。朝から何かしてくる可能性もあるな、、、。もうドタバタ騒動の未来しか俺は見えないんだが、、、」
「柳先輩も大変ですねー」
「だろ?」
とか言った時だった。
「弥彦!!!!!!!!!!」
講義室にそんな声が響いた。マイクを使っていないのにこの音量。講義室に居た全員が声の方を見ている。
「、、、」
「、、、。来たみたいですよ。騒がしい先輩が」
「来なくていいよ。マジで」
「ですね」
「、、、」
「、、、」
俺と桃園さんフリーズ。
「弥彦!珠弓ちゃんの誕生日だがな!」
と、やっぱり日が近くなってきたからか光一が活動しだしたらしい。すると、、、。
カタン。
桃園さんが立ち上がり、、、。
「うわっ!桃園が居た。って珠弓ちゃんどこだ!?桃園はいらん。珠弓ちゃんだ」
「黄金先輩。うるさいです。さようなら」
「ぐはっ、、、」
「、、、。うわぁ」
こちらへと歩いてきた光一の前に立った桃園さん。と思ったら次の瞬間。光一は床に寝ていた。そして、、、。なんか変な方向に身体が向いている気がするが、、、。ちょっとくらい心配した方がいいだろうか。と思うくらいの状況だったが、、、。俺の視線を感じたのか俺の思考を読んだのか。桃園さんは俺を見つつ、、、。
「あっ。大丈夫ですよ。安全なレベルでやりましたから」
と、言ってきたので。
「、、、。ならいいか」
と、返事をしておいた。うん。あれで安全なのか、、、。足とか腕おかしい方向な気がするんだが、、、。
「しばらくしびれて動けないかもしれませんが」
「、、、。マジで何したの?っていつも思うけど桃園さんどこでそんな技を、、、」
「秘密ですっ」
と、その後床に寝ていた光一はいつものお仲間さんに発見されて、、、。どこかレスキューされていった。
それと入れ替わりくらいに珠弓がちょっと速足で俺たちのところへと戻ってきて、、、。
「、、、」
何があったんですか?みたいな顔でこちらを見てきた。うん。珠弓は一番の騒動を見てないからな。ある意味ラッキーだよ。
今日のお人形さんは桃園さんの技は見ていません。
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