第107話 10月2日 4 ニコニコ珠弓

「先輩と家でご飯を食べるだけで満足、、、」


、、、。


これは送られてくるのを待った方がいいのかと思ったが、、、。


「珠弓。見えてる」

「、、、!」


俺が言うと珠弓がこちらを振り返った。

そしてちょっと恥ずかしそうな表情になっていた。ってか見えていることに気が付いてなかったか。


そして、、、。


「、、、なにが見えたんですか、、、」


と、小さな声で聞いてきた。あれ?なんか変なことになってないか?珠弓は恥ずかしそうに胸元を隠しているのだが、、、。と俺は思ったので、、、。


「いや、珠弓がスマホで何を書いているか。送られてくる前に俺読めるんだが、、、。と」

「、、、。あっ」


と、そこで気が付いたらしく、、、。珠弓は送るという方法をやめたらしく。うん。何故か胸元をおさえるのもやめたな。うん。


そして俺にスマホの画面を見せてきた。


「先輩と家でご飯を食べるだけで満足ですが、、、。ケーキはチョコケーキが、、、。あと、桃園さんは呼びたいです」


うん。俺が心の中で読むだけだと、、、。なので。


「はい。珠弓声に出してみようか」

「、、、。むっ」


怒った。ちょっと口元が怒った。お人形さんが怒った。


「珠弓。絶対言った方が早いぞ?」

「、、、」

「はい無視ー」

「、、、」

「さらに無視ー」


ベシ。


、、、。さっきよりかは強く叩かれました。そして珠弓はまた俺にもたれてきて、、、。


「、、、。先輩と家で、、、。ご飯を食べたいです、、、。チョコケーキは欲しい、、、。あと、桃園さんは、、、。声かけたい」


ちょっとメッセージの文章とは変わった気がするが、、、。拍手拍手。俺には背中。正確には珠弓の頭しか見えてないが、、、。まあいいか。とりあえず、、、。頭を撫でると怒られそうだから拍手だな拍手。


「おお」

「、、、」


ベシ。


また叩かれた、、、。なんで。拍手がダメだったのだろうか?


「じゃあさ、桃園さんには俺が声かけるよ。で、まあ珠弓のご希望通りになるかはわからないけど、桃園さんとなんか考えてみるよ」


と、俺が言うと、、、。



「、、、。先輩」

「うん?」


珠弓はもたれたまま、話しかけてきた。


「、、、。桃園さんと2人で、、、。その、、、。イチャイチャは、、、。ダメ」

「、、、。ぷっ」


バシバシ。


「痛い痛い、って珠弓。イチャイチャしてないからな?って結構根に持ってるよな?桃園さんと出かけたの」


バシバシ。


「タイム、珠弓。腕が腕が、、、」


バシバシ。


なんかしばらく珠弓に結構いい力で腕を叩かれました。おかしいな今日の珠弓は超ご機嫌だったはずなんだが、、、。なんで俺最後にこんなに叩かれているんだ?


とか思っていたら、珠弓の攻撃は終わって、、、。立ち上がり、、、。


スタスタと寝室の方へと珠弓は歩いて行った。


「、、、。何だったのか、、、」


と、俺がつぶやくと。


♪♪


「ちょっと取り乱しました」


と、先ほど寝室へと向かって行ったお人形さんからメッセージが、、、。と

ちょっと寝室の方を見てみると。


「!」


バン。


うん。なんかこっちの様子を見ている顔の赤いお人形さんが居ました。そして、、、。勢いよくドアを閉めて今度こそ寝室に引きこもった?ようです。


うん、かわいいっす。





今日のお人形さんいろいろバタバタしていました。

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