第106話 10月2日 3 ニコニコ珠弓
「ごちそうさま」
「、、、。うん」
珠弓の料理。
本日は生姜焼きを美味しくいただき、、、。片付けを俺が今している。
相変わらずのご機嫌の珠弓はニコニコと座って、、、。なんかスマホを見ていた。
俺が片付けを終えてから珠弓のところへと向かうと。珠弓は俺が横に座ると思ったのか。少し横へとズレてこちらを見ている。
「いいか?」
「、、、」
頷く珠弓。俺はそれを確認してから隣へと座り、、、。
「そうそう。ご機嫌のところ、、、。この話は嫌かもしれないが」
「、、、」
と、俺が話し出すと、、、。何とも言えない視線がこちらに、、、。いや珠弓よ。一応身の危険とかもあるからな。大事な話だぞ?とか思いつつ。
「あのさ、最近光一からもらったものとかあるか?」
「、、、。、、、?」
不思議そうな反応をした珠弓は。ちょっと考えてから首を横に振った。
「なら、、、。あっ。言わないと珠弓もわからないよな。何かな。光一が珠弓の護衛隊とかアホな事大学でさっき言っててさ。まあそれに捕まってちょっと帰りが遅くなったんだが、、、。で、なんか変な物珠弓に付けてないかと思ってな。あいつ金かけてるとか言ってたし」
「、、、」
うわー、ドン引きというか。珠弓の顔が、、、。やばい。うん。ヤバイ。これは誰かに見せちゃダメな顔だ。うん。普段の珠弓なら絶対しない顔だな。
「、、、」
すると珠弓は俺に背中を向けた、、、。うん?なんで。あれ?俺の顔も見たくないとかそういうのになった?あれ?俺報告しただけなんだが、、、。
「、、、」
と、思っていると再度珠弓がこちらを振り向いて、、、。
自分の背中を指さしていた。
「うん?珠弓。悪い。どういうこと?」
「、、、。背中、、、。大丈夫?」
「うん?」
と、小さな声が聞こえてきて、、、。
「あー。もしかして背中は自分で確認できないから見てくれと。って、まあそんなものはないと思うがな」
「、、、」
でもまあ俺が言ったからか。珠弓も気になるのか。見てほしいみたいで。こちらに背中を向けて動かないので、、、。
「えっと、、、。見ると言っても。特に今見る限りは何もないぞ?普通だ普通」
うん。珠弓の後ろ姿。なかなかいいものだ。って余計な事を考えている俺だったが、、、。バレたら怒られそう。すると、、、。
「、、、」
コテン。
と、言う音が正しいのかはわからないが。そのまま珠弓がもたれてきた。
「、、、。どうした!?珠弓」
「、、、」
うん。お人形さん無言です。なんかいい香りがフワッと漂ってきましたが、、、。すると珠弓は俺にもたれつつ、、、。スマホをいじりだした。ってもしかして、、、。俺を背もたれにしてくつろいでらっしゃる?
とか俺が思っていると。
♪♪
机の上にあった俺のスマホが鳴る。幸い手が届くところだったので俺は手を伸ばして確認してみると、、、。俺にもたれている人からだった。何故にこの距離でって、、、。毎回言ってるか。
「落ち着く」
と、それだけメッセージには書かれていた。
「、、、。珠弓。急に甘えん坊になった?」
ペシ。
パッと振り向いた珠弓に腕を優しく叩かれた。
♪♪
すると再度メッセージが届いた。
「先輩と一緒に居れば安全です」
と、そんなメッセージが次は来た。
「四六時中一緒とかではないぞ?」
「、、、」
すると珠弓がなんか小さくなった気がする。
「あー、そうだそうだ、珠弓。もうすぐ珠弓誕生日だよな?」
「うん?」
今度は自然と声が前から聞こえた。
「11日だったよな?」
「、、、。うん」
「サプライズの方がいいかと思ったんだが、、、。珠弓の予定もあるだろうし。やっぱり聞いた方がいいかなって」
「、、、」
すると無言になった珠弓は、、、。スマホをポチポチ、、、。って珠弓よ。俺にもたれたままだから、、、。何を書いているかすでにわかるという、、、。読み上げてもいいが、、、。まあ待つか。
ちなみに珠弓のスマホには、、、。
「先輩と家でご飯を食べるだけで満足、、、」
と、珠弓はポチポチスマホをいじっている。俺が見て居る事気が付いているかな?まあ、、、。いいか。もう少し待とう。
お人形さんがもたれてきました。
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