第104話 10月2日 ニコニコ珠弓
「、、、♪」
俺の前を歩いている珠弓が大変ご機嫌である。
現在は朝。大学へ向けて3人で歩いているところだ。
「珠弓ちゃん。今日もご機嫌ですね」
「だな」
「なんか♪マークが見えますね」
「わかる。なんか見えるような気がしている。うん」
「はい」
俺は桃園さんと並んで歩きつつ前を歩いている珠弓を見ている。
猫カフェや喫茶店に言った翌日から、、、。珠弓はこんな感じ。かなりご機嫌らしく。家でなら今まで以上によく話してくれる。まあそれはいい事なんだが、、、。なんでこんなにご機嫌になったのか、、、。少し前までは謎な状態だったのに、、、。
「珠弓ちゃん常時あんな感じですからここ数日教室内とかでも噂ありますよ」
「どんな?」
「なんか人が変わったというか。さらにかわいくなった。あれは彼氏ができたとか」
「はー、まあ今のところ珠弓に彼氏の話は聞かないな。ってその場合。俺一緒に暮らしているからなんか気まずくないか?」
「あらー」
「なんだよ。その反応」
「いえいえ。にしても珠弓ちゃん人気がまた急上昇中ですね」
「まあそれはいい事だろうな。あとは普通に誰とでもちゃんと話してくれたらなー」
「それは、、、。ですかね」
「相変わらずか」
「まあ珠弓ちゃんはその場所に居てくれるだけでいいんですから。和みますよ。癒しですよ。さすが国宝です」
「相変わらずの国宝判定か」
そんなこと話していると前を歩いていた珠弓に、、、。
「あっ。弥刀さんおはよう」
「弥刀さんおはよー」
「、、、」
男女2人が声をかけていた。
最近はこういう光景をたまに見るのだが。今までだと珠弓はまあスルー。みたいな感じだったが。今の珠弓は、、、。まあ無言だったが。ぺこりと頭を下げていて、、、。そしてちょっと落ち着かないのか。その場所に居ずらくなったのか俺と桃園さんのところまで戻って来た。
「弥刀さん今日もやばいな」
「可愛すぎるねー」
「あの仕草最高」
と、珠弓が俺たちの方へと向かってくると先ほどの男女かたはそんな声が。
うん。ちょっとずつ他のところでもつながりというか接点が出来ている様子だ。
「珠弓。挨拶くらいしろよ」
「、、、」
ぺチ。
何故か珠弓に叩かれた俺だった。
「柳先輩いいなー。スキンシップが多くて。あっ。珠弓ちゃんの秘密をばらせば私もスキン、、、。ふがっ」
「、、、」
桃園さん。何やら言おうとしたらしいが、、、。その前に珠弓により口を押えられていた。これもよく見る光景。
「ぷはー。うん!スキンシップ完了です」
「、、、」
「やり方というか。なんかおかしい気がするが、、、。けがはしないように」
そんな感じでやり取りをしながら大学内まで3人で歩き。珠弓と桃園さんとは部屋が違うので別れた。
その後は俺は1人でいつもの講義室へと入っていく。
すると、、、。
「弥彦!!!!!!!」
周りのみなさんごめんなさいである。ホントうるさくてすみません。と心の中で先に謝っておく。
「、、、」
「弥彦!!!!!!!」
「無視したのに呼び直すなよ」
「聞こえてないと思ってな!!」
「、、、。で」
うるさい野郎に捕まってしまった。今日は光一の方が早く部屋に来ていたみたいだ。
「最近珠弓ちゃんを狙っている輩が多いらしくてな」
「、、、」
何を言いだすんだろうか。こいつとか思っていると、、、。
「真面目に珠弓ちゃん警護隊を作るべきだろ、だから俺が隊長に」
「、、、。席どこ座ろうかな」
「聞けよ!」
「、、、。無駄な時間だろ?」
「お前は保護者じゃないのか!?」
うん。周りの視線が痛い。また何かしているよ。とか思われるかもしれないが。光一と居るとろくなことがない。ホント、、、。最悪だ。
お人形は周りとの接点を増やしつつあります。
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