第102話 9月27日 4 珠弓に甘いものを

「、、、」


俺の目前でフリーズしている珠弓。


が、やっと今手が動き出して、、、。とりあえず机に置かれていたスマホを手に取り、、、。写真を撮っていた。


このお店のチョコパフェ見た感じは普通のチョコパフェ。層になっていて、、、。底にはフレーク?があり。多分その上はスポンジかな?まあそんな感じに順番に入っていて。その上にはアイスとかクッキーが。そして最後にチョコソースがかかっている。と、まあどこにでもありそうなパフェだが、、、。ここの名物。人気の理由は、、、。デカい。ホント大きいのである。


そしててっぺんにプレート?でいいのかな。文字が付いているのだが。このお店の名前と猫のイラストが描かれていてそれが女子に人気らしい。めっちゃ可愛いと。


多分こういうのを書くのが得意というか。上手な人がこのお店にはいるのだろう。器用に細かく書かれている。ってかホントすごいな。デカさも、、、。そのプレートのイラストと文字の綺麗さも。


「、、、」

「どうした珠弓?」

「、、、」


写真を撮り終えた珠弓は何故か食べようとはせずこちらを見ていた。何故に?と俺が思っていると、、、。


ススッ、、、。


珠弓は長いスプーン。パフェを食べる用のやつだな。それを俺の方に、、、。うん?


「えっと、、、。先に食べろと?」

「、、、」


珠弓は横に首を振る。


「はい?」

「、、、」


すると珠弓の顔が赤くなった。うん?なんで?とか思っていると珠弓は何故か目を閉じて、、、。小さく口をあけた。


「、、、。はい?」

「、、、」


俺が行動しないと珠弓はちょっと片目をあけてこちらを見てきて、、、。早く。とでも言っているような視線って、、、。何を早く?ってこの状況はなに!?俺馬鹿だから理解できてないんだが、、、。


と、思った時にふと過去の思い出が、、、。


あの時はここまで照れていなかったと思うが、、、。この前もこんな後輩が居た気がする、、、。と。


「珠弓。まさかだが、、、。食べさせろと?」

「、、、」


今度は縦にも横にも首は動かなかった。が、、、。珠弓のほっぺはさらに赤くなった。リンゴって言った方がいいかな?


「、、、。マジか」


って、ここのカフェの雰囲気でそれは、、、。と思っていたのだが、、、。まあ、、、。うん。珠弓がね。食べずに待っているので、、、。


「、、、。ほら」


とりあえずアイスを少しだけスプーンに乗せて珠弓の前に出すと、、、。


「、、、。はむ」


珠弓の方から最後は伸びてきて一口。


「食べた」

「、、、」


そして顔を真っ赤にした珠弓だった。


何だろう。桃園さんに感謝をするべきというのか。この時の俺はそこまで恥ずかしくなかった。まあ桃園さんで慣れた可能性も少しはあるかと思うが、、、。もう1つ理由が。


あまりにも、あまりにも目の前で一口食べたお人形さんが恥ずかしそうにしたため。あれだな。今頃周りの目を気にしたな。これだけ目の前で恥ずかしがっている人を見るとね、、、。むしろ俺は恥ずかしかったより。心配の方が大きくなりましてね。うん。


その後の珠弓はとってもとっても小さくなり、、、。大人しく自分で食べて、、、。半分ほど俺に分けてくれた。まあ珠弓が食べさせてくれるとかそういうことはなかった。というか。あの状況の珠弓じゃ無理だな。ホント次何かしたら爆発するかもしれなかったしな。





お人形さんは何故か自爆?しました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る