第100話 9月22日 2 珠弓に甘いものを

ニャーニャー。


ニャー。


ニャン。


現在猫カフェに来ている俺と珠弓。何人かの他の利用客の人と一緒に猫とじゃれているとでもいうのか。まあとても癒されている状態だ。


ちなみに今利用している人の中でダントツに猫から人気があるのは、、、。珠弓。


常時5匹くらいが珠弓の足の上の取り合いをしている。そして珠弓はワンピースだったので、、、。まあいろいろ頑張っている。もぐろうとしている猫も中には居たらしく、、、。大変そうだったがあまり見ないことにした。幸い今のところ店内の男性は俺だけなのでね、、、。まあめっちゃ俺は居づらいのだが、、、。


うん?俺のところに猫は居ないのかって?

俺のところにも来ているぞ。


1匹な。


ずっと足の上に乗って寝ているがな。ここが居心地がよかったみたいだ。あれか?とりあえず空いているところで静かに過ごしたい猫なのだろう。


って、俺は猫を撫でながら。2メートルくらい離れたところに居る珠弓をちらりと見てみたのだが、、、。うん。ここに来てから珠弓はめっちゃ笑顔である。


珠弓はとっても幸せそうな顔をしている。猫の効果凄いな。


「、、、」


すると珠弓を見ているのがバレた。というか珠弓からもこちらに視線があり、、、。ってなんか照れてない?珠弓さん。顔ちょっと赤いよ?どうしたの?


すると珠弓に手招きされた。これは、、、。こっちに来いなのかな?


すると俺の上に居た猫は空気を読める優秀な猫なのか。俺が動こうとする前に起き上がり。別の人のところへとゆっくり歩いて行った。うん。そしてすぐに別の人の足の上に乗り。くつろいでいた。


「、、、。あいつ優秀だ」


と、俺はつぶやきつつ。手招きをしているお方のところへと行き。隣へ座った。


俺が近づくと珠弓の取り合いをしていた猫が一瞬誰か来た!?みたいな感じで離れたが。俺が珠弓の横に座るとまた戻って来た。


「なんだ。珠弓」

「、、、。ごめんなさい」


急に謝られたー。ホント誰か助けて。俺の予想していないことばかり起きるんだが、、、。


ってめっちゃ小声なんだが。またちゃんと珠弓が話したよ。って声聞いたの久しぶり?かも。


「、、、。えっと、、、。理由がわからないのだが、、、」

「、、、」


が、そこから珠弓の言葉は続かず、、、。なんか言いにくそう。というか、そんな感じで俺を見たり。自分の上に居る猫を撫でたりを繰り返して、、、。


、、、。ギュッ。


「、、、」

「、、、」


何故か服の裾をつままれた。これはここに居ろと言う事なのだろうか?


珠弓の考えがわからないのだが、、、。まあ居てほしいみたいな感じなので珠弓の隣で猫を撫でることにした。


途中。珠弓の様子を写真に撮ったら、、、。


「、、、」


凄い視線というか、、、。なんで撮ってるの。みたいな表情があったのだが。猫が自分の膝の上に居るからか。珠弓は動くことはなかったので、、、。


「ちょっとたまには。実家にな」

「、、、。ダメ。絶対ダメ」


とかまた珠弓の小さな声が聞こえたが、、、。時すでに遅し。


いやね。ちゃんと証拠のために送ったよ。実家、というか。珠弓の親に近況報告と。チケットくれた桃園さんに。


桃園さんには送ったことを秘密にしておくようにメッセージをつけて。


まあ実家の方からは返事はなかったが。桃園さんからはすぐに


「神!」


とか来ていたから、、、。まあ喜んでくれたのだろう。チケットもらったんだからな。これくらいは、、、。


「、、、」

「珠弓。視線が痛い」





お人形さんはやっぱり猫に弱い。

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