第44話 7月1日 2 桃園さんと
桃園さんと売店にやってきた俺。アイスを2つ買って先に飲食スペースのテーブルを確保して待っている桃園さんのところへ移動中。
「桃園さんこれでよかった?」
「はい、ありがとうございます!」
桃園さんにアイスを渡して俺も椅子に座る。なんか今まで桃園さんとこんな感じに放課後の時間に一緒に居ることがない気がしたのでかなり新鮮な感じだった。まあ珠弓とばかり居たというか。珠弓が隣に来てたからな。珠弓が居ない状況で桃園さんと居るということが少ないからか。
「そうだ、写真写真」
そう言いながらカバンの中からスマホを取り出す桃園さん。
「よくよくある普通。っか。どこにでも売っているアイスだと思うんだが、、、。写真撮る必要あるか?」
「ありますよ?先輩に奢ってもらったアイスは特別ですからね」
「そんなもんか」
「そんなもんですよー」
桃園さんはなんかネット用とか。投稿用だろうか?アイスの写真を撮っていた。そういえば前に珠弓も写真撮ってたな。女子はそういうのがブームなのだろうか。そう言えば大学内でもいたるところで写真撮っている人居るもんな。講義室でお昼食べていても。お弁当の写真を撮っている人や。普通に売店なんかで売っているお昼ご飯でも写真を撮っている人が居たかと思う。まあそういうのは人それぞれか。とかいろいろ思いつつ俺はアイスを一口。うん、冷たくて美味しい。
「そう言えば先輩」
「なんだ?」
「珠弓ちゃん大丈夫ですか?荒れてませんか?」
「あー。あれ以来は大丈夫そうだぞ?完全に光一をシャットアウトだからな。家の中に光一が入れないって。今日も光一に抗議されたよ」
「入れないのが正解ですね。珠弓ちゃん黄金先輩に対しては視界に入るだけでも警戒してますから」
「、、、。まあ、昔からだがな、、、。うん」
「黄金先輩どんだけ珠弓ちゃんのこと好きなんですかね?あんなに嫌われているのに好きすぎますよね?」
「まあ、、、。何があってもドン引きするくらい好きなんだろうな」
「確かに、、、。あれだけ嫌われてても。毎日ですからね私も毎日ストレス発散できるのでとってもありがたいですが。毎日は疲れてくるんですよね。走ったり飛んだり」
「まあ、、、。桃園さんも周りには気をつけて。いろいろ視線があると思うから」
「大丈夫です」
桃園さんと話しつつアイスを食べていると。あっという間にアイスは空になった。ちょっとだけ身体が冷えたからこれで家まで何とか耐えれそうだ。っか、アイス溶けるの早かったな。食べたというより最後は飲んだ。が正解か。
「そう言えば先輩」
「うん?まだなんかあったか?」
「私から聞いたというのは秘密にしてほしいんですが、、、」
「うん?」
「珠弓ちゃんが、七夕のお祭りに行きたいと言ってました。というか、ずっと今日も休み時間の間はスマホで調べてましたよ?まだ先輩には言ってないんですか?なんか実家?の方であるみたいな感じでしたが、、、」
「あー、確かに実家では、そこそこの規模の七夕の祭りあるな。確か次の休みに、、、。ってその話は珠弓からは全く聞いてないな」
そう答えつつ、ふと考えると。確かにここ数日は夜とかに珠弓はよくスマホ触ってなにかしているな。とは思っていた。いつもはスマホを触っているとなかなかな確率で俺のスマホが鳴るのだが、、、。そういうことがなかったので何かゲームとか。桃園さんとメッセージしているかと思っていたが。違ったらしい。
「先輩から誘ってあげるのがいいと思いますよ?」
「なんでだ?」
「まあまあ、私からのアドバイスですよ。あっ、このお礼は、とあるホテルのアフタヌーンティーとかですかね」
「一気に値段が跳ね上がらなかったか?」
アフタヌーンティーっていう言葉からもう財布の中身がすっからかんになる未来予想図しかないのだが。大丈夫だろうか、、、。
「そりゃ、いいもの見れると思いますよ?国宝級の物が」
「出たよ。国宝」
「ええ、そりゃ珠弓ちゃんですから。すべて国宝ですけど、これはその中でもかなり上ですからね。先輩。帰ったら誘うんですよ?いいですか?そしてアフタヌーンティーですよ?」
「、、、。まあ。覚えてたら」
「聞くんですよ」
「わかったわかった」
桃園さんがなんか必死に言ってくるので、、、。って絶対自分がお礼を期待しているからだと思うのだが、、、。まあその後桃園さんと別れて家に帰った俺は晩御飯の前に珠弓に聞いてみた。
「珠弓」
「、、、」
俺が話しかけると珠弓は箸を止めてこちらを見た。いや悪い。ご飯を食べようとしていた珠弓を止めるつもりはなかったんだ。
「珠弓は、七夕の祭りとか行きたいのか?」
「!?」
俺が聞いてみると、何か、、、。めっちゃびっくりしたような表情を珠弓がしている。あれ?桃園さんこれなんかミスったんじゃないですか?「なんですか?先輩そんなこと誘ってくる人でした?」みたいな空気じゃないか?これ、、、。
「いや、興味ないなら良いんだが」
「、、、。行きたいです」
「、、、。お、おう。どこの祭りとかあるのか?」
「、、、」
すると珠弓は箸を置いて、、、。立ち上がりなにかしそうだったため。
「珠弓、ご飯食べてからにしよう。せっかく珠弓が作ってくれたのが冷めるからな」
「、、、」
俺がそう言うと珠弓は箸を持ち直し。一度頷いてご飯を食べだした。って、食べるスピード早いですよ?珠弓さん!ちゃんと噛みましょう!ちょっと?珠弓さん?と、驚くスピードで珠弓の前にあった皿から料理が消えていった、、、。早い。
お人形さんは驚いて、、、。その後早食いしてました。
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