第43話 7月1日 桃園さんと

暑い。日に日に暑さが、、、。少し前まではここはアマゾンか!って、くらいジメジメした日が続いていたはずなんだが。晴れだしたらあんなに鬱陶しかった梅雨のジメジメはどっかへ消えていき、、、。いきなり夏が来た。猛暑だ!


そして、ジメジメしている時も大変ウザかったが。暑くなってもウザい奴がいる。


「なー!弥彦ー。なんで部屋入れてくれないんだよ!前はすんなり入れてくれたじゃないか!飯くれ飯」

「珠弓が拒否してる。見られたくないと」

「恥ずかしがり屋だなー。珠弓ちゃんは」

「いや、単にお前に洗濯やら私物を見られたくないだけかと」

「だから、恥ずかしがってるんだろ?かわいいじゃないか。今日も俺見たら、あの危険人物とすぐにどっか行くとか。なあ弥彦。俺そんなにかっこいいのか?」


こいつの頭の中が気になって仕方ないのだが、、、。見たら馬鹿がうつりそうなので、、、。すぐに頭から消し去った。


「、、、。派手なだけだ」

「次はシルバーのスーツ検討しとくわ」

「、、、。勝手にしろ」


現在は大学での空きコマ。外は暑いため快適な温度設定がされている講義室で次の講義まで待機していたら、、、。光一までやってきてしまった。そんなところ。


ちなみに今日の光一は何を思ったのか。光を反射するような服を着ているため、、、。めっちゃ眩しい。っか、ウザい。全てがウザい。太陽の光があたると眩しいし「なんでこんな服ばっかり持っているんだよ」と言いたいが。まあ言っても無駄なので言わない。っか、目立っている奴と一緒に居たくないのだが、、、。


以前の珠弓マグカップ投げ事件の後。光一は俺の家に入れていない。まあ理由は、お人形さんが入室許可を出さないから。だから今「部屋に入れろ」と光一が俺に抗議をしてきていたところ。まあ話していたところである。っか、俺に言ってもね。なんだが。珠弓が許す、、、。許可するとは思わないが。本人に言いに行けばいいのにとか思っているが。あっ、珠弓が逃走するから無理なのか。


さすがにあの事件からしばらくの間。珠弓は反省モードだったが。やっと最近以前のように戻ったところ。あっ、ずっと暗い雰囲気とかではなかった。雰囲気は、、、。買い物から帰ってきたら完全に元通りだったかな。うん。でも、ちょっと光一と接触すると、、、。あの時を思い出すのか「あの時はすみませんでした。ごめんなさい」みたいなオーラが見え隠れ、、、。そして、同じことを繰り返さないためにか。珠弓が俺に言ってきたことがあった。


「絶対、絶対。黄金先輩は入れないでください」

「絶対、絶対。黄金先輩は入れないでください」

「絶対、絶対。黄金先輩は入れないでください」

「絶対、絶対。黄金先輩は入れないでください」


同じメッセージを4回も珠弓から受け取った「何回一緒の文書送ってくるんだよ。俺隣に居るんだが?」と思っていたのだが。結構ガチなお願い。重要な事だったらしい。まあ、そりゃ光一が室内に居るということが無ければ、珠弓はいつものお人形さん。超癒し空間である。うん。ちなみに、、、。


「もし黄金先輩を部屋に入れたら、、、。次は実家に帰ります」


追加でそんなメッセージまで送ってきた。光一の嫌われ方がすごい。まあ仕方ないか。毎日2人は追いかけっこしてるからな。そして桃園さんと合流すると光一が近寄れなくなる。みたいな繰り返しか。最近はというか。いつも通りいえばいつも通りの事だが、珠弓はとにかく大学では桃園さんと行動している。それが最近強化された気がしている。うん。っか、実家に珠弓が帰ってしまうと俺の癒しがなくなるため。それは何としても阻止する必要がある。うん。


光一と馬鹿な会話をしていたら次の講義の時間になっていた。外は暑そうだが。快適な温度設定の講義室で90分×2。そして夕方へ。


本日の講義終わり。


光一は、、、。さっきまで隣に居たが、、、。お仲間とどっか行った様子。ちなみに珠弓は昼で終わりとか言っていたので、すでに帰宅しているはず。遭遇していなければいいが、、、。


とりあえず俺は1人で帰る。のだが、、、。図書館の前を通過した時。声をかけられた。


「柳先輩」

「、、、。あー、桃園さん。お疲れ様」


ちょうど図書館の前を通過しようとしたら。建物から桃園さんが出てきたところだった。


「先輩。今帰りですか?」

「ああ、終わったところ。桃園さんは?」

「図書館で課題を終わらしてました」

「なるほど、そう言えば、珠弓はもう帰ってるだろ?」

「はい。お昼過ぎには帰りました。あっ、先輩」

「なんだ?」

「アイス奢ってくださいよ」


俺。いきなり後半にアイスを要求されました。


「くれと?」

「はい。先輩にはたくさん貢献してますよ?珠弓ちゃんのことで」

「、、、。まあ、確かに」


最近かなり桃園さんのパワーを利用した気がする。マグカップの件も少し桃園さんに相談したし。その後も何かあると桃園さんに珠弓の情報をもらっていたような、、、。はい。結構助けてもらいました。何でもします。はい。何でもします。そしてこれからもお願いします。


「だから、売店のアイス食べたいです」

「まあアイスなら。行くか?」

「やった!」


今日の放課後は後輩とアイスを食べることになった。


少し歩いてきた道を戻ることになったが。珠弓の情報を得るためには大切な事。そのあとは桃園さんと話しつつ売店のある建物へと移動した俺だった。





お人形さんは過去の事で登場しました。 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る